アイ・オー・データ機器は2009年4月15日、ノートパソコンに向けた内蔵SSD「EXC-G」2製品を発表した。容量32GBの「EXC-32G」と、同64GBの「EXC-64G」がある。ExpressCard/34規格に準拠したカード型で、同規格のスロットを備えたパソコンであれば、きょう体の分解作業などをせず簡単に内蔵ストレージ容量を拡張できる。予想実勢価格は順に1万5800円前後、2万2800円前後。発売は5月上旬。

 一般にノートパソコンで使われるSSDは、2.5型HDDと外形寸法をそろえたものが多い。ユーザーが手持ちのノートパソコンの内蔵HDDをSSDに交換する際に便利である半面、交換するためにはきょう体の底面にあるふたや、機種によってはきょう体全体を分解する必要があった。EXC-GはExpressCardタイプの形状とすることで、こうした作業をすることなくスロットに装着するだけでSSDを増設できる。カードはきょう体内部に収まる奥行きで、装着したままノートパソコンを持ち運んでも邪魔にならない。

 ExperssCardは、データを伝送する内部バスとしてUSBとPCI Expressを備えているが、EXC-GはPCI Expressを採用している。「USBメモリーは、データ伝送規格がUSB 2.0であるため、高速化に限界がある。EXC-Gでは、USBより高速なPCI Expressを使い、併せて8個のNAND型フラッシュメモリーに並列でアクセスする構造を採った。これにより、順次読み出し/ランダム読み出しで100MB/秒超と、USBメモリーを大幅に超える速度を実現した」(アイ・オー・データ機器 メモリユニット 企画担当の山下俊明氏)とする。順次書き込みは40MB/秒前後、ランダム書き込みは15MB/秒前後という。

 なお、外付けのExpressCardアダプター経由での接続は保証していない。「アイ・オー・データ機器製を含め、外付けのExpressCardアダプターはUSBの内部バスのみをつなぎ、PCI Experssのデータ伝送機能を提供していない製品が多いため、EXC-Gを挿しても使えない可能性がある。ノートパソコンの内蔵ExpressCardスロットなど、PCI Expressの内部バスも確実に接続されているスロットで使ってほしい」(山下氏)としている。

 対応OSはWindows Vista。OS標準のデバイスドライバーで認識するため、別途デバイスドライバーをインストールする必要はない。Windowsからは「ローカルディスク」として認識される。出荷時点でのファイルシステムはFAT32。Windows XP環境では当面動作しないが、「Windows XPでも使えるよう、社内では準備を始めている」(山下氏)という。