2009年2月27日、史上最大の容量となる、Western Digital製の2TBのHDD「Caviar Green WD20EADS」が発売になった。実勢価格は3万5000円前後。日経WinPC編集部は、サンプル品を入手し、ベンチマークソフトで転送速度を測定した。

 Caviar Green WD20EADSは、内部のディスク1枚で500GBを記録可能。このディスクを4枚内蔵して、2TBを実現している。現在販売されているHDDでは最大の容量だ。

 Caviar Greenは、低消費電力をうたうシリーズの製品で、これまでのHDDは回転数が5400回転/分だった。Western Digitalは「WD20EADSは、5400回転/分から7200回転/分の間」と説明している。とはいえ、動作中に回転数が変化したり、個体によって回転数が変わるわけではなく、同じ型番の製品は同じ回転数に固定されているという。

 「Sandra 2009」(SiSoftware)の「File Systems」の結果は、グラフの通り。3.5インチHDDで、ディスク1枚に500GBを記録できるのは現時点では最高の密度だ。しかし、回転数が低いためなのか、速度はさほど上がらなかった。グラフ中で比較しているSeagate TechnologyのHDD「Barracuda 7200.12」(1TB)は、同じくディスク1枚に500GBを記録できるが、回転数は7200回転/分。順次読み書きは120MB/秒を超える速さだった。

 WD20EADSは、速度を求めるより、大容量を生かしたバックアップ用途に向いている。現在1TBのHDDは8000円前後なので、WD20EADSの容量当たりの価格は1TBモデルの2倍以上と割高。Western Digitalは「1TBのHDDを2台使うよりも7割の消費電力を削減できる」とアピールしている。

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■変更履歴
記事公開時、Western Digitalのコメントとして「1GBのHDDを2台使うよりも7割の消費電力を削減できる」としていましたが、1GBではなく1TBです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/03/02 12:00]