京都地方裁判所は2009年2月23日、違法着うたサイト「第3世界」を運営していた28歳男性に対し、懲役3年(執行猶予5年)、罰金500万円の判決を言い渡した。「著作権侵害に対する刑事罰としては異例の高額」(日本音楽著作権協会=JASRAC)という。

 第3世界は、携帯電話向けの音楽配信サイト。歌手や作詞家・作曲家、レコード会社やJASRACなどに無断で多数の楽曲を配信していた。同サイトのユーザー数はJASRAC推定で100万人を超え、サイト上での広告配信により収益を得るなど「国内最大規模の違法音楽配信サイト」(JASRAC)となっていた。京都府警が2008年10月21日に逮捕し、その後12月2日に起訴されていた。

 判決では、同サイトの規模の大きさや営利性を背景に、運営者である被告の悪質性を考慮して、高額の罰金刑を科した。今回の事件ではこのほか、違法着うたをアップロードしていた53歳男性も逮捕・起訴されている。この被告に対しては、2月13日に懲役1年6カ月(執行猶予3年)の判決が出ている。「運営者と投稿者との悪質性の差が、量刑の違いに表れたのではないか」(JASRAC)としている。