スペインのセキュリティ企業であるパンダセキュリティは2008年12月2日、新たなウイルス作成ツールが出回っているとして注意を呼びかけた。特徴は、操作が簡単なこと。実装したい“機能”を選ぶだけで、新しいウイルスを作成できてしまう。

 ウイルス作成ツールは以前から存在しているが、年々“洗練”されてきている。スキルのないユーザーでも、複数の機能を備えた新種ウイルスを、短時間で作成できるようになっている。

 パンダセキュリティが今回報告したツールは、その最たるもの。ほぼマウス操作だけで、複雑な動きをするウイルスを簡単に作れてしまう。ツールのインタフェースには、実装可能な機能の一覧が表示されていて、ユーザーは希望の項目にチェックを入れるだけでよい(図1)。

 用意されている機能はさまざまで、50種類以上。例えば、パソコンのセキュリティレベルを下げるための機能として、Windowsファイアウオールやセキュリティセンター、自動更新機能などを無効にする機能を用意。

 特定のソフトウエア(例えば、メモ帳やFirefox、Yahoo!メッセンジャー)を起動できないようにする機能や、パソコンの動作を遅くする機能、インターネット接続できないようする機能なども実装可能。

 そのほか、デスクトップ上のアイコンや、時計、スタートボタン、タスクバーなどをそれぞれ隠すような機能や、「マイドキュメント」のファイルをすべて削除するような機能まで用意している。

 これらの機能の中から、ウイルスに組み込みたい機能にチェックを入れ、設定したいアイコンの画像やファイル名を指定し「Create Virus」ボタンを押すだけで、“お好み”のウイルスを作成可能(図2)。同社によれば、ものの2~3分で作れるとしている。

 なお同社のセキュリティ対策製品では、同ツールに対応済み。同ツールをウイルスの一種として検出・駆除する。