米マイクロソフトは、近日中に配布を開始する開発ツール「XNA Game Studio 3.0」で、同社の携帯型音楽プレーヤーであるZune用のゲーム開発ができるようにする。これは、同社が携帯型ゲーム市場への参入したことを意味するものではないが、不振のZuneの立て直しや、市場が拡大する携帯型ゲーム市場への足がかりとなる可能性がある。

 XNA Game Studioは、XNAに基づいてXboxやWindowsパソコン用のゲームを開発するための開発ツールである。Visual StudioやVisual Studio Expressに組み込んで利用する。現在リリースされているのはXNA Game Studio 2.0だ。XNAとは、.NET FrameworkやDirectXなど同社の技術を利用し、XBoxやWindows用のゲームを共通開発するための技術のこと。技術的には、XNAを使うことで、同じソースコードから複数プラットフォーム向けのソフトウエアを作ることができる。

 同社は当初より、XNA Game StudioをWindows Mobileなどの携帯機器へも対応するとしていたが、今回のXNA Game Studio 3.0でようやくZuneに対応した。

 開発したソフトウエアは、Zuneに付属するUSBケーブルでパソコンから転送できる。ただし、XNA Game Studio 3.0からZuneへ直接転送することだけが可能。

 すでに米国市場で任天堂の「ニンテンドーDS」などが成功を収めていたため、Zuneは登場以前には携帯ゲームマシンとして登場する可能性が噂されたことがある。しかし、ふたを開けてみるとゲーム機能は搭載されておらず、携帯音楽プレーヤーとして製品化された。その後、ファームウエアのバージョンアップでゲームが内蔵されたが、ゲーム開発環境は提供されていなかった(2008年春には開発者向けにβ版の配布は行われていた)。Zuneの販売は北米のみで、日本を含む他の地域では販売されていない。