ここまでは、Windows 7での主要な新機能や変更点を紹介した。それら以外にも着実に機能や使い勝手を改善している点は多い。最後に、やや地味な機能も含めて、関心の高そうなものを紹介していこう。

 まず、セキュリティ面では「Action Center」という表示画面が新しく追加された(図1)。パソコンで起こった問題などを監視してユーザーに知らせるものだ。表示されるのは、セキュリティセンターの項目(ウィルス対策ソフトなどの状態)、「Widows Defender」の状態、Windowsアップデート、問題発生の兆候、UAC(ユーザーアカウント制御)の設定、バックアップの状況など。Action Centerではこれらの項目に関して、ユーザーに知らせるべきものを重要度に応じて色分けするなどして、整理して表示する。ここでの表示から詳細や問題解決の画面に進める。

 コントロールパネルには「Troubleshooting」という項目が加わった(図2)。OSやハードウエアの問題を診断し解決する「troubleshooter」機能を搭載。troubleshooterが各種デバイスに関して、問題があった場合に解決の手助けをする。定期的にバックグラウンドで動作しており、問題を見つけた場合はAction Centerに表示する。一時ファイルの消去や不要なショートカットの削除など、定期的なメンテナンスも行う。

Vistaで不評だったUACが調整可能に

 Windows Vistaから搭載されたユーザーアカウント制御(UAC)。プログラムの起動やソフトのインストール時などに、実行の許可を確認する画面を表示する機能だ。悪意あるソフトウエアが自動実行されるのを防ぐために搭載されたものだ。いちいち確認画面が表示されて煩わしい半面、この機能をオフにするのも不安ということいで、Vistaユーザーからは不評だった。

 いわば、その中庸策として登場したのがUACの調整機能である(図3)。確認画面を表示するレベルを4段階に調整できるようになった。例えば、下から2番目にしておけば、Windowsの設定を変更するときには確認画面が出ないようになる。

アクセサリーソフトも地道に改善

 地味なところではあるが、アクセサリーの「ペイント」(図4)や「ワードパッド」は、2007 Office systemの「リボン」インタフェースを採用。機能を拡張し、使い勝手を向上した。

 新搭載のアクセサリーソフトとして「Sticky Notes」がある(図5)。ユーティリティソフトの定番である「付せん」ソフトだ。小さなメモをデスクトップに貼り付けておける。今さらではあるが、Windowsの付属することで便利に感じるユーザーは多いだろう。メモ同士をまとめておけるボードのようなものも用意する(図6)。

 検索機能も強化され、使い勝手が向上する。検索結果で検索キーワードをハイライトするほか、Officeファイルなどのプレビューがエクスプローラー上で可能になる(図7)。