米アイファイ(Eye-Fi)は2008年9月23日(米国時間)、無線LAN機能を内蔵したSDメモリーカード「Eye-Fi Card」を年内にも日本市場に投入すると発表した。2007年に米国で発売した製品で、2GBのフラッシュメモリーに加え、IEEE802.11b/g対応の無線LANモジュールを内蔵している。通常のSDメモリーカードと形状は同じなため、デジカメの機種を選ばず装着して利用できる。製品は3タイプあり、「Eye-Fi Home」(米国では79.99ドル、以下同)、「同 Share」(99.99ドル)、「同 Explore」(129.99ドル)。国内での具体的な価格や発売日時は未定。同社は日本進出に合わせ、国内法人を設立した。

  Eye-Fi Cardの特徴は、撮影と同時に、オンラインアルバムサービスやパソコンへ写真データを自動的に送信するソフトを組み込んでいること。無線LANの整った環境なら、撮影するそばからバックグラウンドでデータを自動送信できる。Eye-Fi Homeは送信先がパソコンに限られるが、上位機種のEye-Fi Shareや同 Exploreなら、オンラインアルバムサービスに対応。パソコンに加え、インターネット上に自分が撮影した写真をリアルタイムに公開できる。対応するオンラインサービスは、米ヤフー「Flickr」や米グーグル「Picasa Web Albums」、米アップル「MobileMe」など20種類以上ある。

 Eye-Fi Shareと同 Exploreの違いは、ExploreにはGPS機能がある点。撮影した場所の位置情報(いわゆるジオタグ)をGPSで取得し、これを写真データに追加できる。また、1年間のホットスポットサービスの利用権も含まれる。

 併せて同社は、10月5日に専用ソフト「Eye-Fi Manager Web application」をアップグレードすることを発表した。まず、写真データの送信先がパソコンである場合、送信速度が約2倍に向上するような改善を加える。また、下位機種のユーザーが、上位機種と同等のサービスを受けられるようにする。Eye-Fi Homeのユーザーは、年間9.99ドルでオンラインアルバムサービスへのアップロードが可能になるほか、年間14.99ドルでジオタグ機能を利用できる。同 Shareのユーザーは、年間14.99ドルでジオタグ機能を利用でき、年間14.99ドルでホットスポットサービスを契約できる。

 これまでEye-Fi Cardは、電波法が定める技術基準に適合する証明をメーカーが取得していなかったため、個人輸入しても国内では使えなかった。いわゆる「技適マーク」が付いておらず、電波法違反に問われる危険性が極めて高かった。