ジェイ・ディ・エスは2008年9月12日、SSD(Solid State Drive)の寿命を予測するソフトを同こんしたSSDを発売した。日経WinPC編集部は早速そのサンプルを入手して、試してみた。

 今回試したのは、Mtron製の2.5インチSSD「MOBI 3500」(MSD-SATA3525-032、32GB)。読み書き速度が速く、寿命も長いSLC(Single Level Cell)チップを内蔵し、実勢価格は約5万円という高級品だ。SSDの寿命診断ソフトを同こんした製品は、価格が1350円高くなる。またソフト単品でも販売しており、実勢価格は2980円。

 まず、MOBI3500の読み書き性能を「Sandra 2008」(SiSoftware)の「File Systems」で測定した。一般にSSDの弱点とされる書き込み速度が速く、順次書き込みで101MB/秒、ランダム書き込みで36MB/秒という結果だった。

 次に、同こんされているSSDの寿命診断ソフト「ファイナルハードディスク診断3.0 PRO SSD版(Mtron専用)」を試した。これは、ジェイ・ディ・エスとAOSテクノロジーズが共同開発したMtron製SSD向けの専用ソフトだ。

 寿命診断ソフトは、HDD用のものをベースにしており、MtronのSSDが内蔵するコントローラーチップから、これまでに何回書き込まれたかを読み出す機能が追加されている。これに加えて、SSDがどの程度の頻度で書き替えられているかを分析し、SSDの仕様上の書き換え限度に達する日を予測する。今回使ったSSDは、仕様上、32億回まで書き替えられるという。

 SSD内部には複数のフラッシュメモリーが内蔵されており、それぞれに寿命がある。今回試したSSDは、内蔵のコントローラーチップが各フラッシュメモリーへの書き込みを平準化する機能を持つ。このため、「SSD全体への書き換え回数を調べれば、フラッシュメモリーの寿命も予測できる」とジェイ・ディ・エスは説明する。

 寿命診断ソフトをインストールした後、ソフトがSSDへの書き換え頻度を調べるため、最初の寿命が表示されるまでには、数時間かかる。今回、最初に表示された寿命は「2872年12月5日」だった。

 この時点ではSSDを使い始めて間もないため、書き換え回数は少ない。この調子で使い続ければ書き換え回数の上限に達するまで、864年かかるという意味だ。ジェイ・ディ・エスによると「書き込みの少ない環境であれば、計算結果としてはあり得る」という。

 この状態から、「PCMark05」(Futuremark)の「HDD Test Suite」を連続して4日間、約2000回を実行し、SSDに対して読み書きが継続する状態を保った。この結果、寿命の予測は一気に縮まり、「2013年10月11日」と表示された。グラフを見ると、書き換え回数は1700万回に近付いている。

 とはいえ、これだけ激しい使い方をしても、予測された寿命までは5年ある。この予測が正しいとすると、一般的な使い方をしていれば、このMOBI 3500については、寿命はさほど気にする必要はないと考えられる。ただし、SSD製品全般に同じことが言えるわけではない。

【問い合わせ先】ジェイ・ディ・エス(TEL:052-703-8455)