松下電器産業は2008年9月12日、レンズ交換式デジタルカメラで世界最小、最軽量を実現した「LUMIX G1」を発表した。オリンパスイメージングと松下電器産業が2008年8月に発表した、デジタル一眼カメラ向けの新規格「マイクロフォーサーズシステム」に対応する初の製品となる。発売予定は10月31日。ボディ単体の予想実勢価格は約8万円。

 LUMIX G1は、通常のデジタル一眼レフカメラがボディ内部に搭載するミラーを排除することで、小型化を図った。2007年9月に発表したデジタル一眼レフカメラ「LUMIX L10」のボディの奥行きは77.5mmだったが、それを45.2mmまで狭めた。ボディだけなら、コンパクトデジカメよりも一回り大きい程度だ。重さはボディ単体で385gまで軽量化。持ち運びに適している。L10の重さは480gだった。

 撮像素子は有効画素数が1210万画素の4/3型Live MOSセンサー。一般的なコンパクトデジカメより大きい撮像素子と、専用の交換レンズを利用することで、携帯性に優れながらデジタル一眼の高画質が得られるという。「デジタル一眼レフは大きくて重いといった不満を解消した」(松下電器産業)。

 ただし、ボディ内部にミラーを持たないため、正式にはデジタル一眼レフカメラではなく、レンズ交換式デジタルカメラとなる。ミラーを排除したことによるデメリットは、高速なオートフォーカス(AF)方式を利用できないこと。また、レンズを通して入ってくる光をミラーで反射できないため、ファインダーに光を送ることができない。

 この問題を解消すべく、LUMIX G1ではレンズから取り込んだ光を直接、撮像素子に当てて、電子的にファインダーや液晶モニターに被写体を表示する「ライブビュー機能」を採用した。さらに、レンズと本体間でやりとりする電気信号の通信回数を、L10の2倍に相当する1秒間に60回まで高速化。これにより「通常の一眼レフカメラのAF速度が約0.2~0.5秒なのに対して、G1は約0.3秒とそん色ないレベルを実現した」(松下電器産業)という。

 ファインダーはオリンピックなどでプロカメラマンが利用する、業務用のハイビジョンカメラ向け高精細ライブビューファインダーを採用。民生機器での採用は初となる。ファインダーの画素数は144万画素で、倍率は1.4倍。ファインダー部分に独自のセンサーを設置し、顔を近づけると液晶モニターでの表示からファインダーでの表示に自動で切り替わる。液晶モニターの大きさは3型で、画素数は46万画素。ファインダーと液晶モニターのいずれも、ファインダー視野率100%を実現している。