マイクロソフトは2008年5月29日、マガジンハウスの雑誌を閲覧できる「MSN マガジンサーチ」を開始した。

 MSN マガジンサーチで現在提供しているのは、マガジンハウスの健康雑誌「Tarzan」と女性向け情報誌「Hanako」のバックナンバー。現時点では2007年10月以降に発売されたバックナンバーを提供する。対象となるのはTarzanが498~508号、Hanakoが909~922号。今後は雑誌が発売されるたびにアーカイブ化していく予定だ。

 バックナンバーは無料で閲覧が可能。好みの雑誌を選択すると、別ウインドウのビューワーで閲覧できる。Flashを利用し、ページをめくるように見られたり、拡大/縮小が可能。雑誌の本文やタイトル、キャプションなどで好みの雑誌を検索することもできる。付せんを付けておくこともでき、「マイ付せん」として付せんを付けたページを管理できる。コンテンツはデジタル著作権管理機能(DRM)を付与した形で提供。文字・画像のコピーやプリントアウトができないようになっている。
 雑誌の閲覧前やコンテンツの横に広告を表示し、広告収入は両社で分配する。「広告モデルでどれだけできるかというのも、しっかり見ていきたい」(マイクロソフト オンラインサービス事業部 MSNメディアネットワーク エグゼクティブプロデューサーのショーン・チュウ氏)としている。

 「Hanako」のバックナンバーは号によっては数千~1万冊以上売れることもあるが、「その売上にマイナスになるとは思っていない」(マガジンハウスの営業局局長 兼 ウェブ戦略室室長 執行役員 久我英二氏)という。「今回のサービスは、基本は雑誌での新規読者を獲得するための導線。新しい読者に無料でぱらぱらと見ていただき、そのあとにバックナンバーを購入してもらったり、次号からの購読者になってもらえると考えている」という。

 今後、MSN ブックサーチに他社の雑誌を入れるかどうかに関しては「まずはマガジンハウスの雑誌を充実させることに重きを置くため、今後に関しては協議中」(マイクロソフトのショーン・チュウ氏)。一方のマガジンハウスも「マガジンハウスのコンテンツは今のところMSNのみで提供するという包括契約をしているが、他社の雑誌がこのサービスに入ってくる分には問題ないという認識」(マガジンハウスの久我氏)とした。

 今後は、Windows Live IDと連携させ、MSN マガジンサーチから直接「Windows Live Messenger」を利用して友人とチャットができるようにすることなども検討しているという。