パソコンの対策の基本は、セキュリティ対策ソフトの導入だ。ウイルス対策を中心にして、迷惑メール、フィッシングサイトやウイルスをばらまくような攻撃サイト、不正侵入などの攻撃に備えられる。
セキュリティ対策ソフトは、スマートフォン向けもある。ただしAndroid用はパソコン用と搭載機能が大分異なる。また、iOSに至ってはセキュリティ対策ソフトがほとんど存在しない(図1)。この違いを生み出している要因を考えてみよう。
スマホ狙うウイルスは少数
ウイルスは特定のOSを標的とする。パソコンに感染するウイルスはスマートフォンでは動作しないし、逆も同様だ。そして現時点で、ウイルスの大半はパソコンのOS(特にWindows)を標的にしている。Androidを標的にするウイルスは存在するが、Windows向けよりかなり少ない。iOS向けに至っては極めて少ない。
スマートフォン向けのウイルスが少ないのには理由がある。攻撃者はウイルスの代わりに悪質な動作をする「不正アプリ」を作って、Android端末を狙うケースが多いからだ。
本特集においてウイルスとは、ユーザーがインストールしなくてもOSの脆弱性を突くなどの方法で動作し、悪さをするプログラムの総称である。一方の不正アプリは、悪さをする点はウイルスと同じだが、一般のアプリと同様にインストールしないと動作しないものを指す。