格安音声SIMは、大手携帯電話事業者の携帯電話回線を、割安な料金で提供するサービスである。これまでも「格安SIM」として、データ通信の料金が安いサービスは登場していた。これに080や090の電話回線を付けたのが、格安音声SIMだ。

 携帯電話事業者のサービスとの違いは、基本料金が安いこと。サービスごとに異なるが、2000円前後である。データ通信のみの格安SIMよりは1000円近く高いものの、大手の料金の半額以下だ(図1)。

●格安音声SIMを使って基本料金を下げる
図1 低料金で利用できる通信サービスが「格安音声SIM」。大手事業者のプランに比べ、高速通信可能なデータ量が少ないなどの制限があるが、その分だけ毎月の基本料金は安い。例えばIIJmioの高速通信1GBのプランは、ドコモの高速通信3GBのプランと比べ、基本料金が半額以下になる
図1 低料金で利用できる通信サービスが「格安音声SIM」。大手事業者のプランに比べ、高速通信可能なデータ量が少ないなどの制限があるが、その分だけ毎月の基本料金は安い。例えばIIJmioの高速通信1GBのプランは、ドコモの高速通信3GBのプランと比べ、基本料金が半額以下になる
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 一方で制限が多い点には注意したい。最も使い勝手に影響しそうなのはデータ通信の制限。大手であれば月間最大5GBまたは7GBまで、下り最高150M~200Mbpsの速度で通信が可能だ。しかし格安音声SIMの場合、低料金のプランでは、データ容量が500M~1GBと少なかったり、最高速度が150k~200kbps程度の低速なサービスが多い。キャリアメールや、家族割などの割り引きはない。おサイフケータイ機能が利用できないこともある。

 通話品質については、心配はいらない。格安音声SIMは、事業者が大手事業者の回線を借りて提供しているサービス(図2)。通話品質や利用可能なエリアは、大手と同じである。

●格安音声SIMは大手事業者の回線を使用
図2 格安音声SIMの提供会社は、携帯電話事業者の回線を借りてサービスを提供する「MVMO」(仮想移動体通信事業者)だ。NTTドコモの回線を利用する場合、通話可能なエリアはドコモと同じだ。今後は、au(KDDI)やソフトバンクモバイルの回線を使ったサービスも登場する見通しだ
図2 格安音声SIMの提供会社は、携帯電話事業者の回線を借りてサービスを提供する「MVMO」(仮想移動体通信事業者)だ。NTTドコモの回線を利用する場合、通話可能なエリアはドコモと同じだ。今後は、au(KDDI)やソフトバンクモバイルの回線を使ったサービスも登場する見通しだ
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