前回はWindows XPのサポート終了について解説した。では、今もWindows XPパソコンを使っている場合はどうすればよいのか。

 [1]パソコンを買い換える、[2]OSをアップグレードする、[3]リスクを承知で使い続ける、といった選択肢が考えられる。

[1]パソコンを買い換える

 第一に検討対象になる選択肢は買い換えだろう。

 Windows XP発売当初は数十万円もする高級品だったパソコン(Windows XP発売当時に販売されたNECのデスクトップパソコン「VALUESTAR T VT970/1D」の推定実売価格は約40万円だった)も、今やデスクトップパソコンなら数万円で手に入る。性能も格段に向上している。日本マイクロソフトはWindows XPからWindows 8.1/8への乗り換えを促すために割引キャンペーンを展開している(関連記事)。こうした割引を利用すれば、さらに費用を抑えられる。

 買い換える場合に注意しなければならないのは、データとアプリケーションソフトの移行だ。

データの移行

 データは古いXPパソコンから新しいパソコンに移す必要がある。「待ったなし! XP乗り換え案内」などを見ながら作業を進めよう。データ移行を自動化するソフトも出回っている(関連記事1関連記事2)。

アプリケーションソフトの移行

 アプリケーションソフトは、新しいパソコンで一からインストールし直さなければならない。

 Microsoft OfficeのOEM版(パソコン購入時に付属・プリインストールされたもの)の利用ライセンス契約は、パソコンを買い換えると原則として無効になる。この場合、Officeがプリインストールされたパソコンを購入するか、新たにパッケージ版のOfficeを購入したうえでインストールすることになる。一方、古いパソコンでパッケージ版Officeを利用していた場合は、Officeのバージョンやパッケージの種類によって、買い換えたパソコンでそのまま使えるかどうかは異なるので確認しよう。

 一方、トレンドマイクロのセキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」のように、有効期限内ならそのまま使えるソフトもある。この場合は、新しいパソコンでインストールしてから「ライセンスキー」などを入力するだけで済み、新たな出費は発生しない。

 ジャストシステムの日本語入力ソフト「ATOK 2013 for Windows」、ワープロソフト「一太郎2013 玄」の場合は、「1人のお客様が同時に製品を使用しないという条件の場合、その人だけが使用するコンピューター3台までインストールすることができる」という利用条件になっている。この条件を満たせば、新しいパソコンにそのままインストールして使える。

 これらはあくまで一般的なケースで、購入したソフトやライセンス条件によっては当てはまらない場合もある。アプリケーションソフトのベンダー・種類によって、それぞれライセンス条件は異なる。個別に調べて対応する必要がある。

 こうしたデータやアプリケーションソフトの移行作業は、パソコン初心者が自力で進めるのは難しいかもしれない。上級者でも時間がかかる。パソコンメーカーや家電量販店などが提供する有料の「乗り換えサービス」を利用するのも手だ。