電子文書のファイル形式として広く使われている「PDF(Portable Document Format)」。官公庁などがインターネットで公開している文書の多くも、PDFファイルとして公開されている。
PDFが広く使われているのは、再現性が高い上に、機能が豊富なためだ(図1)。一番の利点は、機器やOSによらず、同じレイアウトで表示できること。PDFでは、文書にレイアウトやフォントなどの情報が埋め込まれているからだ。
パソコンの画面に表示されている内容を、ほぼそのままの形で印刷できるのも利点だ。
広く使われるPDF
閲覧や印刷のためのソフトが無料で配布されていることも、普及している理由の一つ。「Adobe Reader」といった閲覧ソフトのほとんどは無料で提供されている。
また、「Chrome」や「Firefox」といったWebブラウザーは、標準でPDFの閲覧機能を備えている。
テキストや画像に加え、動画やプログラム(スクリプト)を埋め込めることも利点として挙げられる。
PDFファイルの作成者が、利用制限を細かく設定できることも特徴だ。例えば、閲覧用のパスワードを設定したり、改変を禁止したりできる。
ちなみに、PDFは米アドビシステムズが開発したファイル形式だが、その仕様は公開され、ほかのメーカーでも、PDF関連ソフトを開発できるようになっている。2008年には、国際標準化機構(ISO)により、「ISO 32000-1」という規格に標準化されている。