無線LANの規格が1999年に策定されてから10年以上が経過した。当初は、無線LAN機能(子機)を搭載するパソコンは少数であったが、現在では3万円前後の格安ノートパソコンですら標準で装備する。パソコンも一人1台の時代。子機を搭載したパソコンを複数保有する世帯は決して珍しくない。

 そこでお勧めしたいのが、自宅内の無線LAN環境の構築や見直しだ。自宅のネット環境に無線LANルーター(親機)があれば、ケーブルの接続から解放され、パソコンの設置場所が自由になる。また、無線LAN環境を見直すことで高速化すれば、メールやWebページの閲覧にとどまらず、テレビ放送の視聴や、動画の再生まで、キッチンや寝室のベッドなど好きな場所で楽しめる。パソコンの利用範囲が大きく広がるのだ。

 無線LAN環境の構築をお勧めする理由はそれだけではない。ここ数年で無線LANにつながる機器が増えている。以前であれば、無線LANはパソコン向けの規格という位置付けであったが、現在ではプリンターやスマートフォン、デジタル家電なども対応する(図1)。

●無線LANにつながる機器が広がっている
図1 無線LAN機能(子機)を搭載する機器はパソコンだけではない。プリンターなどの周辺機器やスマートフォンなどの携帯端末など幅広い。テレビなどのデジタル家電にも採用が進んでいる
図1 無線LAN機能(子機)を搭載する機器はパソコンだけではない。プリンターなどの周辺機器やスマートフォンなどの携帯端末など幅広い。テレビなどのデジタル家電にも採用が進んでいる
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、プリンターを親機につなげると、1台を複数のユーザーで共有できるので便利になる。また、スマートフォンでインターネットを利用する際は、3G回線などでつなぐよりも無線LANに接続した方が高速で快適になることが多い。

 こうした無線LAN機器の広がりもあり、無線LAN機器の販売は好調だ。図2は、親機などの無線LAN機器の店頭販売台数を前年同月比で統計したグラフである。ここ1年は販売台数が前年同月比を上回る状況が続いている。

●無線LAN機器の販売は堅調に推移
図2 無線LAN機器の販売台数統計(BCN調べ)。ここ1年は前年同月比を常に上回っている
図2 無線LAN機器の販売台数統計(BCN調べ)。ここ1年は前年同月比を常に上回っている
[画像のクリックで拡大表示]