そろそろ年末年始。この一年使い続けたパソコンは、動作が遅くなったり、妙なエラーメッセージが表示されたりと、あちこち調子が悪くなっているはず。新しい一年に備えて、パソコンを速く、調子の良い状態に戻しましょう。

 とはいえ、何かと忙しいこの時期。手間はかけたくありません。大切なデータはもちろん、使い慣れた設定などを失う危険は冒さず、メンテナンスをしたいところです。

 そこで今回、編集部が提唱するのはパソコンの「大掃除」です。不調や遅さの原因をピンポイントで解消することで、手間をかけずに調子を元に戻し、設定なども失いません。さらにこの掃除の手間を自動化すれば、調子の良い状態を長続きさせられます。

 掃除でパソコンの調子が元に戻ったら、仕上げは整理です。散らかっているアイコンやメニューを並べ直して、より使いやすくします。

 ここまでやれば、好調な頃の使い勝手がよみがえります。さっそく始めましょう!

掃除と整理でリカバリーよりも手軽に速く、快適に

 まず、どうすれば手間をかけずにパソコンの速さと調子の良さを取り戻せるかについて、理解しておきましょう。

 遅く、調子が悪くなったパソコンを元の状態に戻す定番の方法は「リカバリー」です。パソコンの中身を新品の状態に戻すことで、遅さや不調の原因をすべて消すわけです。しかし、同時に大切なデータも消えてしまうため、事前のバックアップや復旧の作業に手間がかかります。

 その点、大掃除は違います。リカバリーで得られる「調子が戻る」「速さが戻る」「間違った設定を消せる」といったメリットの部分だけをより簡単な方法で実現するのです。

 その方法とは、ずばり「捨てる」こと。パソコンの調子を悪くしたり遅くしたりする原因の一部は、不要なファイルや壊れたファイル、間違った設定などです。こうした原因を取り除くだけでも、パソコンの調子は意外なほど快復するのです(不要なものだけを捨てることで調子を戻す)。[注]

 また、掃除の作業のいくつかは、手順を簡略化したり、ソフトに作業を任せることによって、ほぼ自動化できます。快適な状態のパソコンをずっと長く使い続けられるのです。こうした方法は掃除の手間を省いて快適さを保つでご紹介します。

 パソコンが速く、快適な状態に戻っても、使い続けてきたデスクトップや「お気に入り」などは散らかったままです。仕上げにこれらの場所を整理しましょう。「目立たせる」「分類する」「隠す」の三つのポイントを押さえれば、それほど手間はかかりません。具体的な方法は散らかっている場所を整理する鉄則でご紹介します。


[注]不調の原因を除いても直らない場合があります。パソコンの動作に不可欠なファイルが壊れたときなどはリカバリーが必要です。リカバリーでも直らない場合は物理的な故障の可能性があります。メーカーに相談しましょう。

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図1 まずは、Cドライブにたまっている、パソコンの調子を悪くしたり遅くしたりする原因を取り除きます。ファイルを並べ直すデフラグをすると速度が回復します。
図1 まずは、Cドライブにたまっている、パソコンの調子を悪くしたり遅くしたりする原因を取り除きます。ファイルを並べ直すデフラグをすると速度が回復します。
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図2 せっかく取り戻せた速さと調子の良さは、長く保ちたいもの。いくつかのメンテナンスを自動化することで、わずかな手間で快適な状態を保てるようになります。
図2 せっかく取り戻せた速さと調子の良さは、長く保ちたいもの。いくつかのメンテナンスを自動化することで、わずかな手間で快適な状態を保てるようになります。
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図3 調子が良くなっても、メニューやアイコンが散らかった図2ままではもったいない。きちんと整理して使いやすくしましょう。三つの整理のポイントを押さえれば手間はかかりません。
図3 調子が良くなっても、メニューやアイコンが散らかった図2ままではもったいない。きちんと整理して使いやすくしましょう。三つの整理のポイントを押さえれば手間はかかりません。
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