パソコンの使い方が変わり、それに合わせた新しい外付けのHDDが売れている。まずはパソコンの内蔵HDDを使いこなし、外付けHDDで新たな活用法にチャレンジしよう。

 パソコンのハードディスク(以下、HDD)に保存してあるファイルを改めて見ると、サイズや数量、使い方が大きく様変わりしていることに気が付く。

 まず気付くのが、個々のファイルのサイズや数量が大きくなっていることだ。例えば、デジタルカメラの写真。高画素化が進んだ現在は、JPEGファイル1枚でも4MBほどになる。また地デジをパソコンで放送画質のまま録画すると、1時間番組が7GB近くになることもある。

 また、保存したファイルはより重要なものにもなっている。デジカメ写真は今や旅行や家族の行事を残す大切な記録だし、写真以外にも、インターネット経由で購入した音楽ファイルや動画ファイル、銀行のオンライン取り引きや通販の記録など、財産ともいえる重要なデータがHDDに保存されている。

 保存したデータの活用法も変わった。音楽のデータや写真はパソコンから取り出して、他のパソコンや携帯音楽プレーヤー、スマートフォンなどでも楽しむようになっている。

HDDの機能も様変り

 こうしたデータの性質や使い方の変化に合わせて、HDDの世界も急速に様変わりしてきている。

 HDDの様変わりしたポイントは大きく4つある。まず特筆すべきはHDDの大容量化だ。高密度記録の技術進化はとどまるところを知らず、今や2TBの外付けHDDが1万円台前半で買え、3TBのモデルも続々と登場してきている。こうした外付けHDDがあれば、大量のデジカメ写真やハイビジョン映像もたっぷり保存できる。

 2つめのポイントはHDDの高速化だ。HDDは基本的な回転数が決まっているので、高密度に記録すればするほど、転送速度も上がっていく。こうした高速なHDDに最新のUSB 3.0インタフェースを組み合わせた外付けHDDは、内蔵HDDに匹敵するほど読み書きが高速だ。大容量のデータを素早くコピー、移動するには不可欠な性能といえる。

 3つめのポイントは信頼性の向上。複数台のHDDにデータを保存する「RAID」の仕組みの普及などで、信頼性が向上している。大切なファイルはこうした確実に保管できるHDDに入れておけば安心だ。また、外付けHDDの大容量化に伴い、内蔵HDDの内容を丸ごとバックアップすることで信頼性をアップする方法も、手軽に実践できるようになった。

 最後のポイントは新しい使い方への対応だ。パソコンの脇に置いてUSBケーブルでつなぐ従来の外付けHDD以外に、気軽に持ち歩ける携帯型の外付けHDDの製品数が増えている。

 新しい使い方のもう一つの象徴は「NAS(Network Attached Storage)」にスポットが当たり始めたことだ。NASはLANでつなげる外付けHDDの一種。高機能化、低価格化の競争が盛んで、購入しやすい新製品が続々登場している。

 NASの新機能は魅力的だ。無線LAN接続のノートパソコンや、外出先のスマートフォンからデータを閲覧できる。

 こうした新しい外付けHDDやNASは店頭でも実際に売れている。今やパソコンショップの周辺機器売り場の重要な一角を占めるようになった(別掲記事参照)。それだけパソコンの使い方が変化し、HDDに求められる性能も変わってきていることがうかがい知れる。

●使い方の変化に合わせて外付けHDDも進化
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