ハードディスクやメモリーを掃除したり、「チェックディスク」を試したりしてみてもパソコンの不調が直らないときは、最終手段の「新品リカバリー」を実行するしかありません。この方法はCドライブの内容を一度すべて消去し、パソコンを購入したときと同じ状態になるようにWindowsを入れ直します。不調の原因であるWindowsの壊れた設定ファイルなどが一掃されるので、確実にパソコンを調子の良い状態に戻せます。

 効果はテキメンなのですが、一方で、慎重に作業を進める必要があり、手順を十分に理解していないと失敗します。Cドライブに保存していたファイルがすべて消えたり、ウイルスに感染したりすることがあるのです。

 でも、安心してください。すべてのファイルを元に戻すことはできませんが、「マイドキュメント」に保存している大事なファイルやメールなどは外付けHDDに保存し、新品リカバリーで調子の良くなったパソコンに復元できる方法があるのです。しかもここでは、なるべく面倒な操作が発生しないように、「ブンバックアップ」(丸ごとリカバリーの7ページ参照)を使って作業を省力化します。どうしても手作業が必要なメールの設定情報や購入した音楽ファイルなどの復元は、個別に手順を紹介します。

 また、リカバリー直後は、Windowsやセキュリティソフトも購入時の状態に戻るので大変危険なのですが、「あらかじめ最新のセキュリティソフトを準備しておき、リカバリー直後にインストールする」というポイントを押さえれば安全です。

(1)消えたら困る大事なデータを外付けHDDにバックアップ
※最新のセキュリティソフトを事前に入手しておく

(2)リカバリーディスクを使ってパソコンを購入時の状態に戻す

(3)最初にセキュリティソフトを導入して安全を確保

その後に
・インターネットに接続(10分程度)
・Windowsとセキュリティソフトを更新[注1]
・外付けHDDからデータを戻す
・市販ソフトなどをインストール[注2]

[注1]古いパソコンなどで更新ファイルが多い場合、数時間かかることがあります。
[注2]ソフトの種類によってインストール時間は異なります。