仕事に必要な文書や資料、家族で出かけた旅行の写真、送信されてくる大量のメールなどなど。日々、パソコン内に蓄積するファイルを効率的に保管するために、あるいはいざ必要になったとき、即座に見つけられるようにするために、あなたはファイルをどう管理しているだろうか。

 この質問に対する答えで、ほとんどの人は「検索派」と「分類派」に分かれる。

 検索派は、Windowsの検索機能を活用してファイルを探すタイプ。ファイルの保存先にはあまりこだわらない。これに対して、分類派は細かく分けたフォルダーを順にたどってファイルを探すタイプ。日ごろから一定のルールに基づいてフォルダーを作り、ファイルを分類している。

「面倒は嫌」なのは共通

 検索派と分類派の言い分は当然ながら大きく異なる(図1)。

【検索派と分類派、それぞれの主張】
図1 検索派と分類派にはそれぞれに便利な点がある。理想は、それぞれの良いところを上手に取り入れたい
図1 検索派と分類派にはそれぞれに便利な点がある。理想は、それぞれの良いところを上手に取り入れたい
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 検索派が最も強調する利点は、「キーワードさえ入力すれば簡単に見つかる」こと。Windows Vista/7には標準で全文検索機能が搭載されている。ファイル名や作成日時が分からなくても、本文に含まれるキーワードさえ分かれば検索が可能だ。また、別々のフォルダーに保存されているファイルを横断的に検索できる利点もある。「分類派のようにいちいちフォルダーに分けるのは面倒」と思うだろう。

 一方の分類派は、「自分で決めた場所を探す方が速い」と主張する。Windowsに全文検索機能が搭載される以前からパソコンを使ってきた人にとっては、フォルダーを管理することなど慣れたもの。画像や音楽のように、文字列では検索できないファイルの保存にも向く。「検索はハードディスク容量が大きいと時間がかかるし、意外とたくさんのファイルが抽出されて分かりにくい」と嫌う人もいる。

 だが、両者のこの認識はどちらも正しくない。検索派でも、ある程度、フォルダーに分類しておいた方がファイルを整理しやすい。しかも、Windows 7のユーザーインタフェースは、各フォルダーに速やかにアクセスできるよう工夫されているため、検索するより速く目的のファイルにたどり着ける場合もある。

 分類派も検索のコツを覚えておけば、ファイルが見つからなくなったときに安心だ。特に、Windows 7では検索機能が強化されている。検索速度が向上したほか、キーワードで多数のファイルが抽出された場合でも、簡単に絞り込める機能が追加された。

 検索派、分類派共に“いいとこ取り”をして、自分なりの最適ファイル管理を目指すのが得策だ。そのために、この特集では検索派、分類派それぞれの技を紹介していこう。