「プロパティ 取ってくれろと 泣く子かな」

 「私が徹夜で作りました」などと大うそついて社長にファイルを送り、後で確認したら作成者が部下の名前で冷や汗たらたら…。こんな大迷惑の根源は、ファイルに記録されるプロパティ情報だ。

 Excelファイルには作成者や会社名などがプロパティとして記録される(図47)。冒頭の赤っ恥に限らず、会社案内などの公式社外文書の作成者欄に個人名があると、みっともないので注意したい。

図47 Excelファイルにマウスポインターを合わせると、サイズなどと一緒に作成者が表示される。さらに右クリックメニューから「プロパティ」を選び、「概要」タブで「詳細設定」を押すと会社名までわかってしまう
図47 Excelファイルにマウスポインターを合わせると、サイズなどと一緒に作成者が表示される。さらに右クリックメニューから「プロパティ」を選び、「概要」タブで「詳細設定」を押すと会社名までわかってしまう
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 「作成者」の元は「オプション」画面にある「ユーザー名」だ(図48)。このユーザー名は、変更はできても空欄にはできない[注]。「会社名」に至ってはインストール時に登録するのみで、変更欄すらない。

 ファイルから個人情報を削除するには、「オプション」画面で「保存時にファイルのプロパティから個人情報を削除する」をオンにする(図49)。この設定はファイルごとに行う。こうしてから上書き保存すれば、プロパティの作成者や会社名などが自動削除される。

【個人情報を含まないように設定する】
図48(上) 「ツール」メニューから「オプション」を選び、「全般」タブを開くと、作成者として記録されるユーザー名が見える(2007では「Excelのオプション」から)<br/>図49(下) 個人情報を記録させたくないときは、「セキュリティ」タブで「保存時にファイルのプロパティから…」にチェックを入れる。この作業はファイルごとに行う必要がある
図48(上) 「ツール」メニューから「オプション」を選び、「全般」タブを開くと、作成者として記録されるユーザー名が見える(2007では「Excelのオプション」から)
図49(下) 個人情報を記録させたくないときは、「セキュリティ」タブで「保存時にファイルのプロパティから…」にチェックを入れる。この作業はファイルごとに行う必要がある
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 個人情報としてはこれ以外に、ヘッダーに入れた氏名にも注意したい。シート上ではわからないので、印刷プレビューで確認する。

 Excel 2007では、新機能の「ドキュメント検査」が便利だ。プロパティやヘッダーなどの個人情報の有無をチェックできる(図50)。見つかったら「すべて削除」ボタンで削除が可能だ。

図50 Excel 2007ではオフィスボタンから「配布準備」→「ドキュメント検査」を選び、「検査」ボタンをクリックすると、プロパティやヘッダーなどの個人情報がチェックされる。見つかったら「すべて削除」ボタンで削除できる
図50 Excel 2007ではオフィスボタンから「配布準備」→「ドキュメント検査」を選び、「検査」ボタンをクリックすると、プロパティやヘッダーなどの個人情報がチェックされる。見つかったら「すべて削除」ボタンで削除できる
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[注]空欄にすると、勝手にWindowsのログイン名が入ってしまう