「境界に 立ちえぬ罫の 泣き別れ」

 表を選択して移動したら、罫線が一本だけ残ってしまった(図29)。Excel歴が長い人なら、そんな経験が1度や2度はあるだろう。

図29 切り取り/貼り付けやドラグ操作で表を移動させた際にしばしば見受けられる光景。残った罫線はD列ではなくE列のセルに属している
図29 切り取り/貼り付けやドラグ操作で表を移動させた際にしばしば見受けられる光景。残った罫線はD列ではなくE列のセルに属している

 罫線はそもそも、セルとセルの間の境界線ではなく、どちらかのセルの“所有物”だ。つまり、E2セルの左罫線は、D2セルの右罫線ではないということ。複雑な罫線を引いた表を切り貼りしていると、表の移動に罫線が付き添わない事態にしばしば陥る。

 根本的に解決するには、残った罫線を消して、表に罫線を引き直す。それが面倒なら、隣のセルも一緒に移動してしまえばよい。

 こうした問題は、表全体を選択して、まとめて格子罫線を引いた場合には起こらない。いろいろな種類の罫線を1本ずつ引くときは要注意だ。どちらのセルに設定すべきかをきちんと意識しよう。