「開いたら どこかで見えざる 再計算」

 ファイルを開いて、中身を見ただけ。それなのに、閉じるときに「変更を保存しますか?」と尋ねられることがある(図27)。誤ってデータを書き換えてしまったのかと、悩む人もいるだろう。

図27 現在の時刻を得るNOW関数(赤字)は開くと同時に再計算されるため、データが更新されたと判断される
図27 現在の時刻を得るNOW関数(赤字)は開くと同時に再計算されるため、データが更新されたと判断される

 こんなときに怪しいのは、“自動再計算関数”だ。例えば、現在の時刻を表示するNOW関数は、ファイルを開いたときに自動で時刻を更新する。そのため、何もしていないのに、変更されたと見なされるのだ。このほか、セルを間接的に参照するINDIRECT関数なども、ファイルを開くと必ず“再計算”される(図28)。

 ちなみに、セルをうっかりダブルクリックして何も変更せず「Enter」キーを押したときも、データが更新されたと見なされる。変更しないなら「Enter」キーではなく「Esc」キーを押そう。

【開いただけで再計算される関数がある】
図28 現在の日時など、その場で計算し直さないと正しい結果が得られない関数が大半だ
図28 現在の日時など、その場で計算し直さないと正しい結果が得られない関数が大半だ