個々の伝票に入力した内容を、台帳ファイルにまとめて管理したい─。こんなとき、手作業でデータをコピーして転記するのでは、いくら時間があっても足りない。実はExcelには、シートに入力した内容を別シートに自動で転記するためのツールが用意されている。これを利用すれば、一切の手間をかけずに、データの自動転記を実現できる(図1)。

図1 伝票に入力した日付や金額といったデータを、台帳ファイルにまとめたい。こんなとき、いちいちデータをコピーするのは面倒。Excelなら、伝票に入力するだけで自動で転記する仕掛けを作れる
図1 伝票に入力した日付や金額といったデータを、台帳ファイルにまとめたい。こんなとき、いちいちデータをコピーするのは面倒。Excelなら、伝票に入力するだけで自動で転記する仕掛けを作れる
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 これには、「データ追跡機能付きテンプレートウィザード」という機能を使う。これを使うと、自動転記が可能なテンプレート(ひな型)ファイルを作成できる。

 テンプレートには、裏にマクロが組み込まれており、シートを保存したときに、自動で別ファイルにデータをコピーする仕掛けになっている。

ウィザードを利用し転記用のひな型を作る

 早速、転記用のテンプレートを作ってみよう。今回は、「請求書」ファイル内の「日付」「伝票番号」「相手先」「合計金額」の4つの項目を、「取引台帳」ファイルに自動転記してみる。

 まずは事前準備。初期設定ではウィザードが使えないので、設定を変更して利用可能にする(図2)。また、テンプレートではマクロを使うので、マクロを実行できるようにもしておこう(図3)。

図2 Excelの「ツール」メニューの「アドイン」を選び、開く画面で「データ追跡機能付きテンプレート・・・」をチェックして「OK」を押す[注1]
図2 Excelの「ツール」メニューの「アドイン」を選び、開く画面で「データ追跡機能付きテンプレート・・・」をチェックして「OK」を押す[注1]

図3 次にマクロを利用できるようにする。同じく「ツール」メニューで「マクロ」→「セキュリティ」を選び、開く図の画面で「中」を選んで「OK」を押す
図3 次にマクロを利用できるようにする。同じく「ツール」メニューで「マクロ」→「セキュリティ」を選び、開く図の画面で「中」を選んで「OK」を押す

 もう1つ、空の請求書ファイルと取引台帳ファイルも用意する。台帳には、転記する項目の名前を先頭に入力し、そのセルに色を塗っておく(図4)。

図4 テンプレート作成用の空の伝票(今回は「請求書」)ファイルと、データ保管のための台帳(今回は「取引台帳」)ファイルを用意する。台帳には、転記する項目の名前を1行目に記載し、セルに色を付けておく
図4 テンプレート作成用の空の伝票(今回は「請求書」)ファイルと、データ保管のための台帳(今回は「取引台帳」)ファイルを用意する。台帳には、転記する項目の名前を1行目に記載し、セルに色を付けておく
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[注1]Excel 2007ではやり方が異なる。8ページ参照のこと。なお、設定後に機能のインストールを促すメッセージが表示されたら、「はい」を押す。その際、オフィスのCDが必要なこともある