超速5000回転/分でもCPU温度への影響は少ない
負荷が高まると発熱が多くなりがちなCPUを、なるべく温度を抑えて使いたい。こう思ったら当然CPUクーラーの交換を考えるだろう。では、CPUクーラー交換を最大限生かせるようにPCケース側ではどう工夫すればよいのだろう。通常、PCケースは複数のファンを取り付けられるようになっている。低回転のファンを複数取り付けたときと、高回転タイプのファンを1個で運用したときとでどちらが冷えやすいのかを探った。
現在のPCケースで主流なのは12cm角のファン。数100~2000回転/分くらいまでの製品が多く、安価な製品は1000円程度で買える。今回は、回転数の異なる6種類の12cmファンを用意した。羽の形状と厚さが異なるため、回転数に風量が比例しているわけではないが、目安にはなるだろう。テストに使ったPCケースは、8000円で買えるアビーの「METHOD」。初期状態で背面に1000回転/分のファンを備えており、前面下部から吸気してそのファンで排気する構造になっている。
テストは2種類。まずは背面ファンをそのままに、前面にファンを増設した。前面には25mm厚まで取り付けられるので4種類のファンを付け替えて、CPUの温度を測ってみた。結果は下のグラフの通り。ファンの追加により、負荷時もアイドル時も3℃ほど下げられたが、回転数が違ってもCPU温度はほとんど変化しなかった。次に前面にはファンを取り付けず、背面のファンの回転数を変えてみた。こちらも1400回転/分以上ではCPU温度が変化しなかった。
結論!
3800回転/分や5000回転/分のファンの騒音はあまりにも激しく、誰もいないときを見計らってテストしなければならないほど。そこまで強力なパーツを投入しても、この程度のパーツ構成ではCPU温度は変わらない。とはいえ、ファンの追加では一定の効果が得られている。PCケース内部の熱が気になったらまずは安価なファンを追加して様子を見るとよいだろう。