DSP(Delivery ServicePartner)版とは、自作パソコンや、ホワイトボックスと呼ばれる販売店独自のショップブランドパソコンなどの市場向けに提供されるWindowsのことです。通常の製品パッケージ版と比べて、ライセンス対象やサポートの提供元などに違いがあります。ライセンスの形態はOSの種類によって異なりますが、ここではWindows Vistaを前提に話を進めます。

 DSP版でも製品パッケージ版でも、所有するパソコンにOSを導入するという目的に違いはありません。ただし、製品パッケージ版は単品で購入できるのに対し、DSP版はOSのみでの購入ができません。パソコンに組み込むパーツと同時に購入する必要があります。これはライセンスの対象が製品パッケージ版ではパソコンそのものなのに対して、DSP版ではパソコンを構成する各パーツとなるからです。具体的にはCPUやメモリー、ハードディスクや光学ドライブなどがそれに該当します。

【DSP版はハードと同時購入】
DSP版はCPUやメモリー、ドライブ類などのパーツと一緒に購入する。単体購入はできない
DSP版はCPUやメモリー、ドライブ類などのパーツと一緒に購入する。単体購入はできない
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 一般に、自作パソコンやホワイトボックスのようなパソコンは、ユーザー自身によるパーツの交換が容易です。このため、導入直後の構成が後で大きく変わってしまうことが珍しくありません。このようなパソコンに通常のライセンスを適用してしまうと、ライセンス対象の特定が困難となってしまう恐れがあります。

 そこでDSP版では購入したハードウエアを同時に使用することを条件にライセンスを取得できるようにしています。