高性能なノートパソコンに採用され始めているSSD。どれだけ速いのか気になる人も多いだろう。実は最新のパソコンでなくても、SSDによってパソコンの性能を大幅に強化できる。
今回、6年前に購入したノートパソコンのハードディスク(HDD)をSSDへ換装したところ、パソコンの起動時間は1分24秒から52秒へと大幅に短縮した(図1)。起動後の動作も軽快で、まるで新しいパソコンに生まれ変わったような快適さだ。
SSDは、半導体メモリーを使った記憶装置。パソコンのメインメモリーとは異なり、電源を切っても情報が消えない「フラッシュメモリー」を使っている。データの処理が高速であることに加え、動作音がせず振動にも強い。当初は、はるかにHDDより高価だったため、市販パソコンにはあまり普及しなかった。しかし、昨年ごろから急速に低価格化が進み、今では十分手が届くレベルまで下がってきた(図2)。
SSDに交換すると、なぜ快適になるのか。その理由は、SSDの動作の仕組みにある。
SSDの外観はHDDによく似ているが、中をのぞけば、その違いは一目瞭然だ。HDDの内部は、磁気ディスクや磁気ヘッドなど、精密部品がたくさん詰まっている。一方、SSDは、基板が1枚あるだけ。動く部品は一切入っていない(図3)。