Wordで文書を作成していて「何でこうなっちゃうの?」「なぜこうできないの?」と感じることの筆頭は、「段落」に関連する現象だ。ワープロソフトにおける段落とは、[Enter]キーで改行するまでのひとまとまりの文章を指す。この段落にまつわる書式の設定が落とし穴だ。
律儀に選択するのは無駄
具体的な段落書式の話に入る前に、初心者の多くが犯している"無駄"を指摘しておこう。
段落書式と並ぶ概念に文字書式がある。サイズや書体(MSゴシックなど)、色、太字、斜体といった文字の見栄えを指定するものだ。文字書式は1文字単位で設定するので、「この文字からこの文字まで」というように文字単位で範囲選択してからツールバーなどで書式を適用する。一方、段落書式は段落単位で設定するので、カーソルを置くか、段落内の1文字でも選択してあれば、その段落全体が段落書式の適用対象となる。つまり、段落の先頭文字から末尾の改行マークまでの全体を律儀に選択する必要はないのだ。
この考え方は、「何でこうなっちゃうの?」というシーンに遭遇した際にも重要。原因が文字書式なのか段落書式なのか、あるいは余白などのページ書式なのか推理できるようになれば一人前だ。例えば次ページの図1の文書。なぜか各行の右端が凸凹になっており、印刷すると字面が醜いため、公の文書には向かない。