買って間もないVistaパソコンがなぜか遅い─。そう感じている人は多いだろう。1年前のXPパソコンと、現在のVistaパソコンを比べると、Vistaパソコンがいかに高性能かがわかる(図1)。特にメモリーの差は大きく、XPは512MBで問題なく動作したが、Vistaは約4倍の2GBが必須条件だ。

図1 1年前のXPパソコンと現在のVistaパソコンの仕様を比較すると、メモリーは4倍。それだけVistaはリソースを消費するということだ。また、起動と同時に常駐する機能は60以上に増加。さらにユーザーから見えないところで動いているサービスも多く、これらが遅さの原因になっている
図1 1年前のXPパソコンと現在のVistaパソコンの仕様を比較すると、メモリーは4倍。それだけVistaはリソースを消費するということだ。また、起動と同時に常駐する機能は60以上に増加。さらにユーザーから見えないところで動いているサービスも多く、これらが遅さの原因になっている

 にもかかわらず、Vistaのほうが起動や動作が遅いのはなぜか。理由は大きく3つある。

 1つは、OS自体が肥大化していること。Vistaは多機能なうえ、エアロ表示(ウインドウを半透明で見せる機能)など、余計な描画機能が加わり、CPUやメモリーなどのリソースを大量に消費する。

 2つ目の理由は、拡張機能の多さだ。Vistaは、OSの中核部分とは別に、ユーザーの利便性を高める拡張機能(プログラム)をたくさん用意している。その数は、ざっと60余り。XP時代の40から一気に1.5倍に増えた。

 これらの拡張ツールは、OS本体と一緒に起動して常駐するため、数が増えた分、VistaはXPより起動が遅くなるわけだ。

 3つ目は、「サービス」と呼ばれる“裏”で動く機能だ。これはユーザーから見えないところで動くプログラム。Vistaでは多くのサービスが動いており、これも動作の足かせになっている。