電波が届く範囲内なら、誰でも親機に接続できる可能性があります。無断でネットにつなぐ「タダ乗り」、ファイルを勝手に開かれる「のぞき見」は、暗号化でしっかり防御。ここでは、安全に無線LANを使うためのツボを押さえます。

暗号化が不十分だと危険!?

 無線LANでデータをやり取りするときは通常、電波を暗号化します。子機と親機とが通信するには、「暗号化キー」による手続きをしないと接続できない仕組みです。

 暗号化していないと、誰でも親機に接続できてしまいます。いわゆる「タダ乗り」をされてネットにつながれるのはいい気分ではないですし、同時に使われると遅くなることもあります。作成したファイルを「のぞき見」される可能性も否定できません。ネット犯罪に悪用される事件も実際に起きています。

 最も大切なのは自己防衛すること。まず、接続ソフトで暗号化の状態を調べます(図1~図4)。暗号化していなければこれまでに紹介した方法で設定します。

 また、暗号化方式にも注目しましょう。方式には「WEP」と「WPA」の2つがあり、古くからあるWEPは解読方法が見つかっています[注1]。現状で誰もが解読できるというわけはありませんが、今後も無線でつなぐなら、3、4ページの方法でWPAに切り替えることをお勧めします。ただし、WPAに対応していない機器やゲーム機もあるので、事前によく確認しましょう。

[注1]2008年10月にWEPの暗号を10秒間で解読する方法が発見されました。親機と子機の両方がWPAという新方式に対応していても、WEPに設定されていることがあるので、注意が必要です。
 

暗号化せずに無線LANを使うと、誰でも自由に親機に接続できる。そうなると、ネットを無断利用されたり、パソコンの中のファイルを開かれたりするほか、ネット犯罪に巻き込まれる恐れもある。必ず、親機の暗号化機能を有効にしよう。
暗号化せずに無線LANを使うと、誰でも自由に親機に接続できる。そうなると、ネットを無断利用されたり、パソコンの中のファイルを開かれたりするほか、ネット犯罪に巻き込まれる恐れもある。必ず、親機の暗号化機能を有効にしよう。
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安全に使うには暗号化が必須
暗号化の方式には「WEP」と「WPA」の2種類がある。WEPは既に解読の方法が発見されており、安全性は低い。WPAにも複数の種類があり、TKIPよりもAESの方が安全性が高い。
暗号化の方式には「WEP」と「WPA」の2種類がある。WEPは既に解読の方法が発見されており、安全性は低い。WPAにも複数の種類があり、TKIPよりもAESの方が安全性が高い。