電源ユニットの電源ケーブルはいくつかの系統があり、各系統にかけられる負荷に上限がある。これを超えた場合、電源ユニットに何が起こるだろうか?

 Serial ATAのコネクターを4分岐できるケーブルを2つ使い、1系統の電源コネクターに7台のHDDをつないだ。HDDはディスクの回り始めに大量に電力を消費するが、7台つないでも問題なく起動した。

電源ユニットの電源ケーブルを「シリアルATA用電源4分岐ケーブルL型」(写真下、アイネックス)を使って4個に分岐し、さらに同じものをつないで、合計7個に分岐しHDDを7台つなげた。PCは起動するのだろうか?
電源ユニットの電源ケーブルを「シリアルATA用電源4分岐ケーブルL型」(写真下、アイネックス)を使って4個に分岐し、さらに同じものをつないで、合計7個に分岐しHDDを7台つなげた。PCは起動するのだろうか?
HDDを1台ずつ増やしていき、PCが起動するかどうかとシステム全体の消費電力を検証した。グラフはPCの起動後十数秒間の消費電力の変化を示す。メーカーと容量がばらばらのHDD7台で試したが、7台つないでも問題なく起動した。
HDDを1台ずつ増やしていき、PCが起動するかどうかとシステム全体の消費電力を検証した。グラフはPCの起動後十数秒間の消費電力の変化を示す。メーカーと容量がばらばらのHDD7台で試したが、7台つないでも問題なく起動した。

 さらに、電源コネクターを冷却ファン用の3ピン4個に分岐するケーブルで、同じ系統にファンを足していった。5つ目のファンで起動しなくなった。この400W電源は、HDDやファンがつながる+12V系統の最大出力は290W。ファン4台接続時の最大電力が298Wだったので、系統別の最大出力を超えると、動作しなくなるようだ。ただし今回使ったファンは大電力を要する超高回転型だ。実用的な回転数なら、電力不足にはならないだろう。

さらに「ファン用4分岐ケーブル」(写真下、アイネックス)を用意。これを2セット用意して2つの電源コネクターを8つのファンコネクターに分岐した。それぞれに冷却ファンを取り付ける。果たして電源容量は足りるのか?
さらに「ファン用4分岐ケーブル」(写真下、アイネックス)を用意。これを2セット用意して2つの電源コネクターを8つのファンコネクターに分岐した。それぞれに冷却ファンを取り付ける。果たして電源容量は足りるのか?
左の状態にさらに冷却ファンを1個ずつ増やして同様に検証した。3.6Aのファンを2個、1.3Aのファンを3個取り付けたところで、PCが起動できなくなった。なお、2個と3個ではほぼ消費電力が変わらなかった。
左の状態にさらに冷却ファンを1個ずつ増やして同様に検証した。3.6Aのファンを2個、1.3Aのファンを3個取り付けたところで、PCが起動できなくなった。なお、2個と3個ではほぼ消費電力が変わらなかった。

【テスト条件】
CPU:Core 2 Extreme QX9650、メモリー:DDR2-800 2GB×2、マザーボード:P5Q Deluxe(Intel P45搭載、ASUSTeK Computer)、グラフィックスボード:EN9600 GTMATRIX/HTDI/512M/A (GeForce 9600 GT搭載、ASUSTeK Computer)、電源ユニット:Core-400-2007(サイズ、定格出力400W)、HDD:WD10EACS(1台目、Western Digital)、ST3320620AS(2台目、Seagate Technology)、HDS728080PLA380(3台目、日立グローバルストレージテクノロジーズ)、ST3640323AS(4台目、Seagate Technology)、WD7500AAKS(5台目、Western Digital)、WD1500AHFD(6台目、Western Digital)、HDS721616PLA380(7台目、日立グローバルストレージテクノロジーズ)、冷却ファン:RGH1238B1(1個目および2個目、5000回転/分、3.6A)、RDH1238B1(3個目、4個目および5個目、3800回転/分、1.3A)※ファンはすべてXinruilian Science&Technology、PCケースは冷却ファンを1個搭載