グラフィックスボードに取り付けられているグラフィックスチップは、CPUと同様に高い動作周波数で動作する。このため、ハイエンドモデルはもちろんのこと、ローエンドモデルでもグラフィックスチップやグラフィックスメモリーを冷やさないと動作に支障が出たり、壊れたりする。

グラフィックスボードに取り付けられた冷却ファンは素材やデザインがさまざま。扱いによっては、ファンの軸にひびが入るなどしてファンが回転しなくなることがある。
グラフィックスボードに取り付けられた冷却ファンは素材やデザインがさまざま。扱いによっては、ファンの軸にひびが入るなどしてファンが回転しなくなることがある。

 では、実際に冷却ファンを動作させずに使うとどうなるのだろうか?下の写真は、2007年に発売したハイエンドのグラフィックスボード「ATI Radeon HD2900 XT」(AMD)の冷却ファンの電源コネクターが外れているのに気づかずに、使った後のものだ。PCから異臭が発生し、電源を切った後ケース内部を確認するとグラフィックスボードが異常に熱くなっていた。クーラーを外すと、グラフィックスチップが熱で膨張し、固定用の金具が外れていた。

ハイエンドのグラフィックスチップは特に高温になる。冷却ファンの電源ケーブルが外れただけでも、チップが熱で膨張することがある(上)。この場合、冷却装置も膨張により、浮いてしまった(下)。
ハイエンドのグラフィックスチップは特に高温になる。冷却ファンの電源ケーブルが外れただけでも、チップが熱で膨張することがある(上)。この場合、冷却装置も膨張により、浮いてしまった(下)。

 なお、ローエンドのグラフィックスボードなら、負荷をかけなければ普通に使えることもあるが、過信は禁物。冷却ファンが壊れているのなら、グラフィックスボード用のクーラーを別途購入して取り付けるべきだ。