クリエイティブ・コモンズ(CC)は、著作権の意思表示システムと呼ばれる仕組みの一つです。

 日本の著作権法においては、任意の人が作品を作り上げると、自動的に著作権が発生します。これにより、他人がその作品を好き勝手に利用するのを防ぎ、作者の名誉と財産を守ります。ここでいう著作権は、実際には多岐にわたっています。例えば、作成した作品を公表するかどうかを決められる「公表権」、作品の作者として自分の名前を表示できる「氏名表示権」、その作品を他人が勝手に改変することを認めない「同一性保持権」、作品を勝手に複製することを制限する「複製権」、作品を上演する「上演権」などです。

 ただし、必ずしもすべての人がこれら著作権のすべてを確保したいかというと、そんなことはありません。中には「いちいち申請しなくてよいしお金もいらない、好きにコピーして構わない」という人もいるわけです。特にインターネット上で個人が情報発信するのが容易になったここ数年、そうした傾向は顕著です。

 そこで個々の作者が作品ごとに、「この作品では、○○は自由にしてよいが、△△は禁止する」といった方針をあらかじめ決めておき、作品を発表する際に作品に表示しておきます。意思表示システムと呼ばれるのはこうした仕組みのためです。

 作者がCCに従って作品を公開するには、作品にCCマークと利用条件のマークを表示します。下図のように、利用条件のマークは4種類あります。このうち「改変禁止」は、その作品を二次利用することは認めるものの、その条件として内容を勝手に書き換えないことを示しています。「継承」は、作品を二次利用する際に、元の作品と利用条件をそろえさえすれば、元の作品の内容を書き換えることを認めます。なお、「改変禁止」と「継承」は、その性質上併用できません。

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 CCを利用したいと考えているユーザーは、CCのWebサイトの記載に沿って申請してみましょう。申請料は不要です。CCのWebサイトにある、いくつかの質問に答えると、その作品に合ったCCマークがどれかが分かります。併せて、自分のブログをはじめ、各種WebサイトにCCのロゴを貼り付けるためのHTML構文を入手できます。

 日本においてCCは、NPO法人の「クリエイティブ・コモンズ・ジャパン」が運営しています。