RAIDは複数のHDDを使い、システムが複雑になるため、従来とは違ったトラブルに遭遇することがある。対応を誤ればRAIDによって保護されていたデータを消失しかねない。RAIDの構築、運用時のトラブルに対応について解説しよう。

 RAIDボードや複数のHDDを使ったシステムでは、従来とは違ったトラブルに遭遇する。HDDを単体で使う場合に比べて、HDDが故障する確率が高まり、データの読み書きの処理も複雑になるためだ。RAIDの構築で遭遇しやすいトラブルを実際に再現し、解決策方法を見ていこう。

OSのインストール失敗やHDDが認識されないことも

 RAIDでは、OSのインストール時にトラブルが発生することがある。今回、RAIDを構築するために、マザーボードに接続できる最大限の6台のHDDを接続した状態で、OSをインストールしたところ、OSのインストールに失敗した。

 Windows XPでは、OSのインストール途中で止まってしまい、インストールを完了できなかった。Windows Vistaの場合は、インストールの途中で再起動がかかった直後、HDDにコピーしたデータを読み出せなくなった。このためVistaをインストールする最初の段階と同様にインストール用DVDから読み出す処理が始まった。いずれの場合も、OS用のHDD1台だけを接続した状態にして、再度インストールすると問題なく完了した。

 

●6台のHDDを接続した状態ではOSをインストールできない
マザーボードのSATA1~6ポートにすべてHDDを接続した状態でOSをインストールしようとすると、トラブルが発生することがある。OSはHDDを1台だけ接続した状態でインストールした方がよい。

Windows XPの場合、ドライバーの組み込み後に黒画面となり、インストールが先に進まない。
Windows XPの場合、ドライバーの組み込み後に黒画面となり、インストールが先に進まない。
Windows Vistaの場合、途中の再起動の後、インストールの最初の段階に戻ってしまう。
Windows Vistaの場合、途中の再起動の後、インストールの最初の段階に戻ってしまう。