「Duolingo」は、外国語の学習のために使える無料アプリだ。次々と表示される設問にゲームのような感覚で答えていくことで、外国語を学べる。アプリを使って学ぶユーザーの力を使って、企業向けに翻訳サービスを提供し、収益を得るというビジネスモデルも特徴的だ。

 これまで日本語向けのコンテンツはなかったが、2014年4月末に更新されたiOS向けアプリで、日本語を母語とするユーザー向けの英語学習機能を用意した。パソコンからもWebブラウザーで利用できる。その機能や技術的な特徴について、米デュオリンゴのルイス・フォン・アンCEOに聞いた。

米デュオリンゴのルイス・フォン・アンCEO。コンピューターと人間を区別するためのテスト「CAPTCHA」を書籍のデジタル化に生かすシステム「reCAPTCHA」の開発者としても知られる
米デュオリンゴのルイス・フォン・アンCEO。コンピューターと人間を区別するためのテスト「CAPTCHA」を書籍のデジタル化に生かすシステム「reCAPTCHA」の開発者としても知られる
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――なぜ、Duolingoを開発したのか。

 誰でも無料で言語学習ができる方法を提供したいと思ったからだ。世界には、別の言語を学習したいがそれだけのお金がないという人がたくさんいる。だから、完全に無料で学習できるようにしたかった。

――Duolingoの学習効果は。

 Duolinoで34時間学習すると、米国の大学で1学期分学ぶのと同じ効果があるという調査結果が出ている。なぜそれほど効果的かといえば、ユーザーが学習することで蓄積されるデータを活用しているからだ。

 我々は当初、言語学習のエキスパートではなかった。そこで言語学習に関する本を読みあさったところ、ダイエット方法と同じで矛盾だらけだということにすぐに気付いた。ダイエット本には、「肉だけ食べろ」と説くものもあれば、「肉は食べるな」と書かれているものもある。言語学習本も、それぞれ「あれを勉強しろ」「これを勉強しろ」と異なることが書かれていた。そこで、さまざまな教材の中で有効だと思われるところを集めて、Duolingoの中に盛り込んでいった。