くりはら・かずたか:1978年栃木県生まれ。2007年に東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻博士課程を修了。人間とコンピューターの関わりを研究する。現在、産業技術総合研究所メディアインタラクション研究グループ主任研究員。これまでに、2012年イグノーベル賞や第12回日本ソフトウェア科学会論文賞などを受賞。2012年には「宇都宮愉快市民」にも任命された。(撮影:新垣 宏久)
くりはら・かずたか:1978年栃木県生まれ。2007年に東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻博士課程を修了。人間とコンピューターの関わりを研究する。現在、産業技術総合研究所メディアインタラクション研究グループ主任研究員。これまでに、2012年イグノーベル賞や第12回日本ソフトウェア科学会論文賞などを受賞。2012年には「宇都宮愉快市民」にも任命された。(撮影:新垣 宏久)
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 「人々を笑わせ、考えさせてくれる研究」を表彰する「イグノーベル賞」。日本でもこれまでに17組が受賞している。栗原氏は2012年、おしゃべりな人を黙らせる装置「SpeechJammer」の発明によって、イグノーベル賞「音響学賞」を共同受賞した。

 一般に、人は自分の声を少し遅れて聞かされると、話し続けられなくなる。発言中の人にSpeechJammerを向けて引き金を引くと、話者の声をマイクがキャッチして、数百ミリ秒後に指向性スピーカーを通じて当人に聞かせることができる。原理は珍しいものではないが、銃型の装置にして、おしゃべりな人を黙らせる用途に特化したことが、「人類の根源的な欲求に応えようとした」と選考委員会に評価された。

受賞研究の「SpeechJammer」。引き金を引くと、相手の声を数百ミリ秒遅れで返し、それによって相手を混乱させることができる
受賞研究の「SpeechJammer」。引き金を引くと、相手の声を数百ミリ秒遅れで返し、それによって相手を混乱させることができる

2012年9月に米ハーバード大学で行われた、イグノーベル賞授賞式での様子。右隣は、共同研究者で公立はこだて未来大学准教授の塚田浩二氏
2012年9月に米ハーバード大学で行われた、イグノーベル賞授賞式での様子。右隣は、共同研究者で公立はこだて未来大学准教授の塚田浩二氏
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