Mitchel Resnick:米マサチューセッツ工科大学 メディアラボにて、コンピューターを用いた教育ツールの研究開発に取り組む。「レゴ マインドストーム」の原型となった「Programmable Bricks」や、「Scratch」などを生み出す。低所得地域の若者などに学習環境を提供するプロジェクト「Computer Clubhouse」の共同創始者でもある。(撮影:都築 雅人)
Mitchel Resnick:米マサチューセッツ工科大学 メディアラボにて、コンピューターを用いた教育ツールの研究開発に取り組む。「レゴ マインドストーム」の原型となった「Programmable Bricks」や、「Scratch」などを生み出す。低所得地域の若者などに学習環境を提供するプロジェクト「Computer Clubhouse」の共同創始者でもある。(撮影:都築 雅人)
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 「自分の考えを他人に発信するには、文字を“読める”だけでなく“書ける”必要がある。プログラミングもそれと同じ」──プログラミング教育の世界的な第一人者であるミッチェル・レズニック氏は、プログラミングを自己表現のためのツールと位置付ける。生まれたときから高性能ゲーム機などのデジタル機器に囲まれ、“デジタルネイティブ”とも呼ばれる今の子どもたちだが、「ゲーム機では、ただ遊ぶことしかできない。アニメーションや音楽を使って、自ら“創る”体験をさせたい」。

 こうした思いから作ったのが、主に8歳以上を対象にしたプログラミング環境「Scratch」。「ブロック」と呼ばれるアイコンを組み合わせて手軽にプログラムが作れるのが特徴だ。日本を含め、世界中で高い人気を集める。専用のコミュニティサイトで、ユーザー同士の交流も活発に行われている。

Scratchでプログラミングをしているところ。画面右に並んでいるのが、動きや条件などを示す「ブロック」。これを組み合わせることで、画面左のネコのキャラクターを動かす
Scratchでプログラミングをしているところ。画面右に並んでいるのが、動きや条件などを示す「ブロック」。これを組み合わせることで、画面左のネコのキャラクターを動かす
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世界中のユーザーが、300万を超える作品(プログラム)をネット上のコミュニティサイトで公開。コメントのやり取りなどを通じて交流している
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