【インタビュー】

将棋ソフトで棋士破る「人間を支援する人工知能を」

金子 知適 人工知能研究者/将棋ソフト開発者

小向 将弘=日経パソコン 2013/09/17
出典:日経パソコン 2013年7月22日号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


かねこ・ともゆき:2002年3月、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。同大学院総合文化研究科助教を経て、2012年4月より総合文化研究科准教授。専門は人工知能。将棋などの思考ゲームを題材に機械学習などの研究を進める。同研究科の教員・学生などとともに開発した「GPS将棋」が2013年4月開催の「電王戦」第5局でプロ棋士・三浦弘行八段を破る。(撮影:木村 輝)
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 将棋のプロ棋士とコンピューター将棋ソフトとが対戦する「電王戦」。2013年4月に開催された第2回電王戦の最終第5局では、将棋ソフト「GPS将棋」が三浦弘行八段を破り、団体戦でのコンピューター側の勝利を決めた。

 GPS将棋は、東京大学大学院総合文化研究科の教員・学生など6人によって開発された。金子知適准教授はその中心メンバーであり、人工知能の応用に力を入れる研究者だ。

 勝利の要因は「先の展開を読む“探索能力”や局面の形勢判断をする“評価関数”の精度、そして多くのコンピューターをつなげて計算力を上げる技術が向上したこと」だと言う。今回の対戦で、GPS将棋は演算に約700台のiMacを並列処理し、1秒間に2億8000万手を読む能力を達成した。

電王戦第5局は強豪・三浦弘行八段とGPS将棋が対戦。相矢倉の戦型で三浦八段にミスはなかったが、GPS将棋が完璧な指し回しで押し切った(写真提供=日本将棋連盟)
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電王戦の対戦成績。3勝1分け1敗で将棋ソフト側が勝利した
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 将棋ソフトがプロ並みに強くなったのは「機械学習」という手法を採用したことも大きな理由だ。これは過去の棋譜を基に、形勢判断などをコンピューターに自動的に学習させる方法。GPS将棋の場合、2万数千の棋譜を基に学習を行った。「しかし、棋譜を丸暗記しているというのは誤解。判断を一般化して学習していくうちに、棋譜にはない独自の指し方もできるようになってきている」。

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