こっころ:東京工業高等専門学校で結成されたImagine Cupの出場チーム。前列右がリーダーの大川水緒さん(専攻科機械情報システム工学専攻2年)、左が赤松駿一さん(専攻科電気電子工学専攻2年)、後列右が田畑愛実さん(専攻科機械情報システム工学専攻2年)、左がタン・トゥンジェさん(情報工学科5年)。2011年大会にも挑戦したが国内予選で敗退。2012年は見事リベンジを果たした。4人のほかにも、多くのサポートメンバーがいる。(撮影:稲垣 純也)
こっころ:東京工業高等専門学校で結成されたImagine Cupの出場チーム。前列右がリーダーの大川水緒さん(専攻科機械情報システム工学専攻2年)、左が赤松駿一さん(専攻科電気電子工学専攻2年)、後列右が田畑愛実さん(専攻科機械情報システム工学専攻2年)、左がタン・トゥンジェさん(情報工学科5年)。2011年大会にも挑戦したが国内予選で敗退。2012年は見事リベンジを果たした。4人のほかにも、多くのサポートメンバーがいる。(撮影:稲垣 純也)
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 「Imagine Cup」は、米マイクロソフト主催の学生向けIT技術コンテスト。その2012年世界大会ソフトウェアデザイン部門で、日本代表が世界2位という快挙を成し遂げた。東京工業高等専門学校のチーム「Coccolo」だ。

 「Good morning, everyone! We are team Coccolo!!」。元気よく始まった彼らのプレゼンテーションは、技術はあるがプレゼンは苦手、という日本人のイメージとは、全くかけ離れたものだった。要点をきれいにまとめたスライド、ステージに機材を持ち込んでのデモ、動画やインタビューを交えた飽きさせない構成、そして英語による堂々としたスピーチ。工夫の凝らされたプレゼンが観衆を引き付けた。

オーストラリアのシドニーで7月9日に行われた最終審査のプレゼンテーション。リーダーの大川さんを中心に、「まるでショーのようだった」と評されるプレゼンで観衆を魅了した
オーストラリアのシドニーで7月9日に行われた最終審査のプレゼンテーション。リーダーの大川さんを中心に、「まるでショーのようだった」と評されるプレゼンで観衆を魅了した
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質問への受け答えは、英語が得意なマレーシア出身の留学生タンさんが担当。タンさんがいたことで、ほかのメンバーの英語力も高まったという。なお、実際のプレゼンの様子は、日本マイクロソフトの「イマジンカップ チャンネル」で閲覧できる
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 リーダーの大川さんは振り返る。「練習を始めた頃はボロボロでした。しかし、周囲のアドバイスを聞いて構成を変えていき、何より『楽しくやろう』ということになりました。すごいものを作っても、それが伝わらなければ意味がありません。面白そうだ、と思わせるように、まず自分が発表の内容を愛して、発表を楽しもうと考えました」。

 もちろん、内容が伴わないプレゼンは成功しない。彼らが開発したのは、可視光通信によって自律的かつ効率的な節電を可能にする照明システム。震災後の日本のニーズに応えつつ、低コストで簡単に導入できる利便性も実現した。日本で用意した電気系の機材が、会場となった豪シドニーでは法律に触れて使用できないというトラブルも発生したが、現地で急ぎ購入した部品で何とか改良し、発表30分前に完成。技術力と問題解決力を見せつけた。