しげやま・せんざぶろう:1964年生まれ。茂山家は狂言大蔵流の一門。3歳で「業平餅」の童役として初舞台を踏んで以来、狂言師の道を歩む。新作狂言の脚本も手掛ける。代表作に「だんご聟」「都渡り」「薬水」などがある。演出家としてミュージカルなど他ジャンルの芸術と狂言を組み合わせる試みもしている。小中高校へ出向く「学校狂言」の活動をしたり、ラジオパーソナリティーを長年務めたりするなど多方面で活躍中。<a href=http://www.soja.gr.jp/(撮影:稲垣 純也)">
しげやま・せんざぶろう:1964年生まれ。茂山家は狂言大蔵流の一門。3歳で「業平餅」の童役として初舞台を踏んで以来、狂言師の道を歩む。新作狂言の脚本も手掛ける。代表作に「だんご聟」「都渡り」「薬水」などがある。演出家としてミュージカルなど他ジャンルの芸術と狂言を組み合わせる試みもしている。小中高校へ出向く「学校狂言」の活動をしたり、ラジオパーソナリティーを長年務めたりするなど多方面で活躍中。http://www.soja.gr.jp/(撮影:稲垣 純也)
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 カメラを持った観客がたくさんいる。フラッシュも光る。「動画・写真などはお好きにお撮りください」──。通常なら撮影禁止となる舞台を“解禁”した狂言の名門・茂山家。このほど京都などで催行した3公演を撮影自由としたところ、観客が撮った動画が多数、動画投稿サイトにアップロードされた。

 「国民の9割は狂言を見たことがないのでは。面白いと思ってもらえるきっかけをつくりたい」と語るのは、「日本一よくしゃべる狂言師」を自任する同門の千三郎氏だ。「写真撮り放題」は既に10年ほど前に試したが、動画は初めて。観客が録画しやすいよう、1曲20~30分の演目を5分ほどに短くして構成したり、照明を上げたりして臨んだ。“撮り時”も都度説明した。「カメラを通して観客の視線が分かるのが興味深い。間違えると世界に知られるので緊張する」のが今回演じた感想だ。反応は上々。「笑うと手ぶれする。撮り直したい」といった声が寄せられた。

 動画の不正利用など心配はあったが、メリットの方が大きいと判断した。関係者の間では異論もあるとしつつ、「何事もやってみたいと家の者たちはノリノリ。全員一致で決まった」という。

観客が撮影した動画もYouTubeに多数投稿されている。「動画撮り放題」の公演では、大きな動きのある演目を選んだり、演目を短くしたりするなど、撮影に配慮した
観客が撮影した動画もYouTubeに多数投稿されている。「動画撮り放題」の公演では、大きな動きのある演目を選んだり、演目を短くしたりするなど、撮影に配慮した
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現在Macを利用中。1994年にパソコンを入手、翌95年には茂山家のWebサイトを立ち上げた。スマートフォンも使っているが、「画面が小さくて……」
現在Macを利用中。1994年にパソコンを入手、翌95年には茂山家のWebサイトを立ち上げた。スマートフォンも使っているが、「画面が小さくて……」