なかむら・しゅんすけ:1975年生まれ。名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現・九州大学)博士課程にて情報デザインの研究をしながらインタラクティブアート「神楽」を制作。同作品は2003年の「大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテスト」でグランプリを受賞する。その後、2005年に、しくみデザインを設立。人の行動に反応し、映像と音楽を作り出すインタラクティブ・デジタルサイネージ(参加型広告)の事業を展開している。(撮影:稲垣 純也)
なかむら・しゅんすけ:1975年生まれ。名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現・九州大学)博士課程にて情報デザインの研究をしながらインタラクティブアート「神楽」を制作。同作品は2003年の「大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテスト」でグランプリを受賞する。その後、2005年に、しくみデザインを設立。人の行動に反応し、映像と音楽を作り出すインタラクティブ・デジタルサイネージ(参加型広告)の事業を展開している。(撮影:稲垣 純也)
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 あるアミューズメント施設前に置かれた大きなディスプレイに人だかりができている。画面をのぞいて見ると、あら不思議。その場にいる人々の顔にヌイグルミの絵柄が貼り付けられ、次々と画面の中にたまっていく。クレーンが自分の顔のヌイグルミを拾い上げて枠の中に入れたら大当たり! その様子を携帯電話のカメラで写して店員に見せれば景品のコインがもらえる。

 実はこの画面が顧客を呼び込むための新スタイルの電子看板(デジタルサイネージ)である。自分自身が画面の中で主人公となるから楽しい。自然と画面の中には笑顔があふれていく──。画面を見て、楽しんでもらい、カメラで撮影して店内に入るという行動を誘発する。そんな広告の仕掛け人が中村俊介氏である。このアミューズメント施設の例では、当たりが出た人の中で景品の交換を申し出た比率は実に25%。チケット配布など既存の宣伝手法よりも高い効果を実証した。

電子看板の画面に映った人の顔がクレーンゲームのヌイグルミに早変わり。当たりの画面を携帯電話で撮影し、店員に見せるとコインをもらえる。神奈川県川崎市の「ナムコ ワンダーパークヒーローズベース」における参加型広告の例
電子看板の画面に映った人の顔がクレーンゲームのヌイグルミに早変わり。当たりの画面を携帯電話で撮影し、店員に見せるとコインをもらえる。神奈川県川崎市の「ナムコ ワンダーパークヒーローズベース」における参加型広告の例
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お笑い芸人の南海キャンディーズ山里亮太さんとのコラボレーションイベント。山里さんの願望をかなえるというコンセプトで、動きに合わせてファンの女性が押し寄せる様子などを画面に映し出した
お笑い芸人の南海キャンディーズ山里亮太さんとのコラボレーションイベント。山里さんの願望をかなえるというコンセプトで、動きに合わせてファンの女性が押し寄せる様子などを画面に映し出した
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