いいものを見つけるとついわくわくしてしまう。

　ふとしたことでこれまで手に入れたことのないものを入手することで違う発見があるのかもしれない・・・と思ってしまうのだ。余談だが、先日、「つなぎ」を買った。あの上から下までつながっている服である。よく自動車の整備のお兄さんとか、バイクの乗る人は皮のタイプとか着ているのを見たことがある。

　そんななか、デニムのタイプでカッコよかったのでつい買ってしまった。もちろん普段着用である。とはいえ買ったはいいが、着てゆく場所がない。仕事に来てゆくと、ふざけてるのか？とか何の作業をやるのかと思われそうだし……。

　まぁフリーランスなので何を着ててもいいのだが、さすがにつなぎはためらってしまう。着たことないものはついそうなってしまうのはしょうがない。そっと着るのもなんだから、思い切って舞台で着ることにした。噺家がデニムのつなぎでしゃべるという…、これが思いのほか反応もよかったのだ。うははっつ。つなぎ噺家！！

　もちろん寄席ではない。小劇場のトークライブでの話である。楽屋にも機を見ては着てゆくことにした。年配の師匠方が「おっ、珍しいねぇ、オレがつなぎを着てたころなぁ～～」と若かりし、やんちゃな師匠方の話を聞くきっかけになった。人は何かきっかけさえあれば、普段、話さないようなことを話してしまう……。

　これを「つなぎ効果」と呼ぶことにしよう。

　知らない人同士なのにソレがあるだけで、距離が縮まる。僕の場合「あら、私もblackberryなんですのよ～ぉ」なんて妙齢の女性に話しかけられる「つなぎ効果」があるとかないとか、関係なくblackberryを機種変するか、海外からblackberry passport かblackberry classicを入手しようか悩んでいる暮れである。