●データ入力用のシートを作成する

 複数の人でシートを共有したい。しかし他の人に編集されては困る箇所がある。「ロック」は、ありがちなこうしたケースに利用したい機能だ。図1を見てもらおう。

このシートにはあらかじめ計算式を仕込んである。しかしセルの表示形式に「#,##0;-#,##0;""」を設定したから、見苦しい「0」は表示されない
図1 グラフ作成を自動化したシート
図1 グラフ作成を自動化したシート
[画像のクリックで拡大表示]

 こちらは B3:B6に入場者数を入力すると、入場者数の合計および各タイプ別の売り上げとその合計を計算し、その結果を自動的にグラフに表示するものだ。

 ちなみにロックとは関係ないが、このシートにはちょっとした工夫が凝らしてある。D3を見るとここには「=B3*C3」の数式が入力してある。ただ、Excelでは数式に含まれているセルが空白の場合、数式を入力したセルに「0」が返ってうっとうしい。そこでこのシートでは「ホーム」タブの「数値」にある「→」から「セルの書式設定」を開き、「ユーザー定義」で「#,##0;-#,##0;""」という表示形式を新たに作成している。

 「何だこのシャープが一杯の文字列は」

 値が「正の数;負の数;0の場合」をとるときの表示形式を「;(セミコロン)」区切りで指定したものだ。正の数にあたる「#,##0」は、値がプラスのときはカンマを入れて1未満は四捨五入せよ、負の数の「-#,##0」は値の頭に「-」を付けろ、との意味になる。また、最後の「0の場合」は、「""」すなわちダブルクォーテーションの連続で、これは「何も表示するな」の意にほかならない。

 話は長くなったが、この書式をD3:D7B7に設定しているため、このシートでは「0」が表示されない。

●「シートの保護」の前にロックを外す

 さて、本題の「ロック」についてである。先の図1の場合、タイプ名はもちろん入場料の単価、さらには売り上げや合計の数式を他の人にさわられたくない。

 「そうだな。オマエのような悪意のあるヤツがイタズラをする可能性も排除できん」

 はいはい。で、そこで利用するのがロックだ。ただ、その際によくやるミスが「校閲」タブ→「シートの保護」を安易に選ぶことだ。これで確かにシートは保護できる。しかし前段階の設定がないため、データ入力が必要なB3:B6を含めて全てのセルが保護対象になってしまい、データを全く入力できなくなる。