オンラインで英語を学べるサービス「レアジョブ英会話」。通話ソフト「Skype」を用いてフィリピン人の講師と会話をしながら、英語力を身に付けられる。2007年にサービスを開始し、同種のサービスの中で高いシェアを獲得。2014年6月にはマザーズへの上場を果たした。サービスの立ち上げから今までの軌跡、および今後の展望を、レアジョブの加藤智久社長に聞いた。(記事構成は編集部)
山内:レアジョブさんは先日、マザーズに上場されましたよね。おめでとうございます。オンライン英会話サービスとしてなぜこれほどの成功を収めたのか、これまでにどんな苦労を重ね、どのような知見を蓄積されてきたかを、今日はぜひお聞きしたいと思います。
そもそも加藤さんがなぜレアジョブ英会話という教育サービスを始めようと思われたのか、まずそこから教えていただけますか。
加藤:実は、僕は教育というより、ベンチャーをやりたかったんです。スタートはそこにありました。
山内:そうだったんですか! それは興味深いですね。
加藤:あ。やっぱり教育業界の方は、最初から「教育をやろう」と思われていた方が多いんでしょうか。
山内:いえ、そんなことはありません。「教育をやろう」という方と「ベンチャーをやろう」という方の2パターンがあります。例えばスマートエデュケーションの池谷大吾さんなどは、元々「ベンチャーをやろう」と考えて事業を始められた方です(関連記事:スマホを持つ母の2人に1人が使う、大ヒット知育アプリ)。
加藤:僕は、大学を一時休学して、ベンチャー企業で働いた経験があります。そのときにつくづく感じたのは、「うまくいかないベンチャーはキツい」ということでした。だから自分が興すベンチャーは、うまくやりたいと思いました。
そのためには、時代の波に乗ることが大事だと考えたんです。ベンチャーを立ち上げる際は「優秀なスタッフが死にものぐるいで働く」ことが大前提になりますが、その上で、そこに“波”が来ているかどうかが重要だと。それで、次に来る波は何かと考えていました。レアジョブを始める少し前、2005年くらいの話ですね。
そのときに、Skypeと出会いました。遠くの相手と、目の前にいるかのように話ができます。しかも無料です。まだLINEなど存在していない頃でしたが、「この周辺のビジネスは絶対に伸びていく」と感じました。それで、最初は中国語会話のサービスを始めたんです。
でも市場が小さくて、なかなか広がりませんでした。英語の方が学習者は圧倒的に多いですし。友人に「使ってみてよ」と言っても、「英語ならやるよ」という答えばかりでした。だったら英語をやろう、ということになったんです。
山内:なんと、最初は中国語のサービスをされていたんですか。