平野所長(以下:平野):2014年のビジネスメール実態調査は、仕事でメールを使うことが当たり前になり、多くの人が毎日メールを使っているけれど、誰からも教わることなく、不安を感じながら使っていることが強調される結果になったね(前回を参照)。
直井研究員(以下:直井):メールで迷ったり、不安があったりして「これで問題ないでしょうか」とか「この場合、どのように書いたらよいでしょうか」とか、先輩や上司に相談しても、先輩や上司も自分たちのメールのアドバイスに自信がなかったりするようです。
平野:先輩や上司たちも、メールについて学んだことがないだろうからね。教わったことがなければ、教えることもできないだろう。社会人になってから、周囲のメールを参考にして、自分の流儀でメールを使い、なんとか今日までやってきたという人も多いだろう。
質問をされると、アドバイスには自信をもてないが、特に大きな失敗やトラブルがなければ、自分のメールが正しいかどうかなんて気にとめることなく、やり過ごしているかもしれない。それでも、大なり小なり、メールの失敗を経験し、それに悩むことはある。
直井:過去1年間で、ビジネスメールで失敗をしたことが「よくある」「たまにある」と答えた人は計45.43%で、約半数です。
どんな失敗をしているかというと「添付ファイルの付け忘れ」(72.45%)が圧倒的に多く、「文章に誤字や脱字」(32.51%)、「宛先(メールアドレス)間違い」(23.99%)、「メールの返信が遅い」(21.21%)といった失敗がこれに続いています。
平野:メールを使っていれば、誰もが一回くらいは経験したことがある、あるいは経験する可能性のある内容が上位を占めているね。指摘をされたら納得できる、誰が見ても明らかな失敗だ。
直井:私も経験あります。
平野:失敗したことが「ほとんどない」(46.84%)、「まったくない」(7.74%)という人たちも、こうした失敗が起こりやすいことを知り、注意をしてほしいね。
直井:そうですね。