前回の「社会はアルコールをどう扱うべきか」では、さまざまなご意見をいただいた。どうもありがとうございます。

平均寿命と平均余命

 さて、前回「少子高齢化が進行し高齢者医療費が増大する中で、私達はより長く、健康で働かなくてはいけなくなっている」と書いて引いたが、その続きである。

 少子高齢化で社会が大変だ、となっても、なかなか自分の人生のこととして考えるのは難しい。そこで、まずは「自分は何歳まで生きるの?」という問題として捉えてみよう。

 厚生労働省のは簡易生命表というものを毎年公表している。これを見ると現時点で日本人が平均してどれぐらい生きるかを知ることができる。最新版は平成24年、つまり2012年版だ。

平成24年簡易生命表の概況:厚生労働省

 2012年時点での日本人男性の平均寿命は79.94年、女性は86.41年。ただし、この数字だけで「おお、いま自分は40歳だから、あと平均としては39.94年生きるのだな」と考えてはいけない。平均寿命とは「0歳児が平均して何年生きるか」という数字だからだ。

 おぎゃあと生まれて、生きていくうちに、運の悪い者から徐々に死んで脱落していく。ということは、生き残った者だけを考えて平均を取ると、平均寿命より長く生きることになる。

 その年齢の人があと平均で何年生きるかは、平均余命という数値を使う。

主な年齢の平均余命(pdfファイル):pdfファイル

 もう少し詳しく見たければ、男女別の表がある。
平成24年度簡易生命表(男):pdfファイル
平成24年度簡易生命表(女):pdfファイル

 これを見ると40歳男性の平均余命は41.05年。ほっ、まだ半分ではなかった。同じく40歳女性は47.17年だった。現在52歳の私は、平均余命29.89年ということになる。長いようにも思えるが、今まで生きてきた時間を考えると、たった30年弱と思え、かなりぞっとする。