平野所長(以下:平野):約6500万人かぁ~~。半分だとしても3000万強。実際は2000万くらいかな。いや、もうちょっと厳しくみてみようかなぁ。

直井研究員(以下:直井):所長、どうしたんですか? ぶつぶつ言って。独り言の声が大きいですよ。

平野:1人5分で……月20日。それから12カ月。全部をかけると……1200分かぁ。つまり、20時間。これはかなり多いなぁ~。

直井:だから、何のことですか?20時間って?

平野:直井さん、今のアルバイト代いくらだっけ?

直井:私、アルバイトじゃありません!(何だか、いつになく真剣だなぁ)

平野:まぁいいや。仮に、直井さんのアルバイト代が1500円だとしよう。1500円の時給で20時間働くと……3万円か。3万円の人が2000万人いたら……6000億円か。いやダメだ! これじゃぁ机上の空論だ。

直井:所長! 聞いています? さっきから夢の中ですよ。

平野:あ! ごめん。いつからそこにいたの?

直井:さっきからずっといます。私と会話していたじゃないですか!

平野:いや~~。6000億円だと思ったら考えが止らなくなっちゃって。

直井:6000億円って何の数字ですか? もしかして、変な株に手を出したんですか?

平野:いや。違うよ。日本の労働者の中で2000万人がメールを使っているとしよう。その人たちが毎日5分、メールの時間を減らせたら……。そうしたら、人件費換算で、どのくらいの効果があるかを考えていたんだ。それが6000億円の正体さ。

直井:たった5分で6000億円ですか!?