【瀧口範子「シリコンバレー通信」】

無人航空機で密かに取材する「ドローン・ジャーナリズム」の気味悪さと可能性

瀧口 範子=ジャーナリスト 2013/06/26


 先立ってフランス・パリで開かれたジャーナリズムとテクノロジーの会議、グローバル・エディターズ・ネットワーク(GEN)に参加した。そこで、驚きと共に学んだ新しい言葉が「ドローン・ジャーナリズム」である。

 「ドローン(drone)」とは、今、世界で注目されている無人航空機のことだ。注目とともに、問題視もされている。米軍が飛ばした無人航空機がテロリストを狙い撃ちにした時に民間人を巻き添えにしたり、また航空機愛好家が個人的に無人航空機を飛ばして人々のプライバシーを侵害したりする問題が議論になっているのだ。

 さまざまな形でのドローン開発はシリコンバレーでも盛んだ。しかし、そんなドローンがなぜジャーナリズムに? 実は、早い人々は既に次のジャーナリズムのツールとしてドローンを捉えているようなのだ。

 GENの会場でも数機のドローンが展示されていたが、どれもスーツケースに入れて持ち運べるほどの小型軽量のものである。iPhoneなどのモバイル機器から操縦でき、数10分は飛行を持続できる電池も搭載されている。重要なのは、高性能カメラが搭載されていることだ。

米国では「ドローン取材」の解禁間近

 現在、米国でドローンを飛ばすにはいろいろな規制がある。愛好家は、街の中心から離れていて、かつ、通常の旅客機などのルートからは外れた場所で、一定の高さでしかドローンを飛ばせない。また、私有地以外での商業的な飛行は禁止されている。

 だが、2015年秋には通常の有人機とドローンが空を共有するための規制緩和が行われる予定である。それに合わせて、ドローンを利用したジャーナリズムのあり方も準備されているのである。

 ドローンを用いたジャーナリズムは、どんなことが考えられるだろうか。まず頭に浮かぶのは、大衆メディアが好む「パパラッチ的」ニュースだろう。セレブがプライベートビーチでくつろいでいるところを、ドローンで撮影したりするわけだ。今はパパラッチたちが苦労して垣根からビーチをのぞいたりしているのだろうが、ドローンがあれば簡単だ。だが、こうした使い方はプライバシー保護のために規制される可能性が高い。

この続きはITpro会員(無料)の方のみお読みいただけます。

会員登録をするとITproのすべての記事がご覧いただけます。ぜひ登録をお願いします。



あなたにお薦め

  • 

連載新着

連載目次を見る

  • 
    

現在のアクセスランキング

ランキング一覧を見る