直井研究員(以下直井):所長。メールの処理って、どうやったら早くなりますか?

平野所長(以下平野):早く処理しようと意識することだろうね。突然どうしたの?

直井:この前、ある会社の課長Aさんから「メールの処理が遅い部下(Bさん)がいて、どう指導したらいいか分からない」と相談を受けたんです。

平野:なるほどね。

直井:Bさんが朝からずっとメールの画面を見ている日があって、午後になってもメールを処理しているから「何をやっているの?」と声をかけたところ「メールを処理しています」と言われたそうです。

平野:メールを見ている時間が長くて、気になったわけだね。

直井:「メールの処理に時間をかけすぎているようだけど」と指摘したら「メールを書くのに時間がかかるんです」と言われたそうです。それで「どんなメール?」と見せてもらったら、お客様からサービスの問い合わせや、チーム内での連絡メールが大半だったそうです。

平野:これまで何度も返信している内容だろう? どうして時間がかかるの?

直井:Aさんもそう思って聞いたら「文章を考えるのが大変なんですよ」と言われたそうです。

平野:う~ん。

直井:「この書き方で分かるかな」「失礼な表現じゃないかな」って考え出すと時間があっという間に過ぎてしまい、結果的にメールの処理がなかなか終わらないそうです。

平野:メールの返信は、時間をかければ良くなるというものではないからね。限られた時間で最高のパフォーマンスを出してこそ仕事だ。Aさんも困っただろうね。

直井:そうなんですよ。「メールを処理するのが仕事ではない」と言っても、なかなかうまく伝わらないそうです。

平野:メールの処理以外の仕事が進んでいなさそうだね。

直井:それで「どのように指導したらいいんだろう……」と悩んでいました。