最近は、給料明細や支払い明細などの個人情報を相手にメールする際には、暗号化して送信することが多くなりました。万が一、メールの誤送信やデータの漏洩があったとしても、内容が丸見えになることはありません。

 今回は、PDFファイルをドラッグすると、PDFデータを暗号化できるツールを作ってみましょう。複数のPDFに対応させて、100個あるPDFでも連続して暗号化するようにします。ただし、複数のPDFで同じパスワードを使うなら、誤送信があったときに他人のPDFを見ることができてしまうので、ファイルごとに個別のパスワードを自動生成します。

PDFをドラッグすると、暗号化したPDFとパスワードファイルを作成します。
PDFをドラッグすると、暗号化したPDFとパスワードファイルを作成します。
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プログラムの紹介

 今回のPDF暗号化のプログラムは、こちらよりダウンロード(115-program.zip)できます。今回は暗号化ツールを含むため、ファイルサイズが9MBと大きめです。ダウンロード時には注意してください。WSH(Windows Scripting Host)の機能を利用しますので、Windows上で実行できます。サンプルに当たるPDFファイル(sample.pdf)も入れてありますが、これはもちろん個人情報を含んでいません。ご自分のPDFファイルで試してみるのも良いでしょう。なお、実行にはJavaの実行環境をインストールする必要があります。

 ダウンロードしたファイルの中にある「PDF個別暗号化.jse」がメインプログラムです。暗号化したいPDFファイルを、「PDF個別暗号化.jse」にドラッグすると、暗号化したPDFとパスワードを記したファイルが生成されます。例えば、「abc.pdf」というPDFファイルをドラッグすると、暗号化したPDF「abc-enc.pdf」とパスワードを記したテキスト「abc-pass.txt」という2つのファイルを作成します。

 このとき、同じパスワードを利用して暗号化することもできます。先ほどの例で言えば、「abc-pass.txt」の内容を任意のパスワードに書き換えた後、再度、「PDF個別暗号化.jse」に「abc.pdf」をドラッグすれば、「abc-pass.txt」に書かれたパスワードを利用して暗号化します。