前回から引き続き、福島第一原子力発電所3号機が2011年3月12日未明に核燃料を冷却するHPCIの停止から、翌14日午前11時1分の水素爆発までの経緯を追っていくことにする。

 3号機は、電源となるバッテリーが生き残っていたので様々なデータが比較的きちんと残ってる。下のグラフは東京電力作成による3号機原子炉水位、原子炉圧力、格納容器内部(D/W)と圧力抑制室(S/C)内部の圧力の推移と、対処を時系列で示したグラフだ。

3号機水位、各部圧力と対処(<a href=東京電力最終報告書資料(pdfファイル)の添付8-15より)。A~Eまでの囲みは東電最終報告書(pdfファイル)の説明用のもので、 ここでは無視してかまわない。">
3号機水位、各部圧力と対処(東京電力最終報告書資料(pdfファイル)の添付8-15より)。A~Eまでの囲みは東電最終報告書(pdfファイル)の説明用のもので、 ここでは無視してかまわない。
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 3月13日午前2時42分のHPCI停止と共に、原子炉の圧力容器圧力(図では原子炉圧力と表記されている)が上昇しつつ水位が低下。やがて圧力を格納容器に逃がすSR弁が動作して圧力が格納容器に逃げ、今度は格納容器の圧力が上昇。格納容器圧力上昇と共に建屋内部の高線量が確認され、ベント開始で一度は格納容器内圧力が下がるものの、また圧力が上昇し、その圧力を下げることができないまま14日午前11時1分の水素爆発を迎えたことがグラフから見て取ることができる。